2014 Fiscal Year Research-status Report
アメリカ・カナダ・ドイツにおける多文化的社会科教育の比較研究
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26381176
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
桐谷 正信 埼玉大学, 教育学部, 教授 (90302504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪田 益美 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (20616495)
佐藤 公 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (90323229)
宮崎 沙織 群馬大学, 教育学部, 講師 (90591470)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多文化教育 / 社会科教育 / アメリカ / カナダ / ドイツ / 歴史教育 / 教科書 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,ドイツの歴史教育を中心にフレームワーク,カリキュラム,教科書,教材を収集するために現地調査を行い,多文化的社会科教育の内容構成・学習内容・学習形態・学習方法がどのように位置づけられているか分析した。合計2回の多文化的社会科教育国際比較研究会を開催し,研究計画の確認・修正及び,中間発表を行った。 ドイツ歴史教科書に,多文化社会における社会的意思決定と市民的行為,社会参加を育成するための学習内容・方法・活動がどのように位置づけられているか分析した。現在のドイツの歴史教科書の多くは,デジタル・コンテンツを多用するアプローチが採られており,教科書の記述を補完する画像・映像資料が掲載されたDVD-ROMが出されている。ワークシートも多数用意されており,一次資料を読解して歴史を理解するアプローチが採られている。ギムナジウム用歴史教科書では,教科書の記載内容に関する詳細な情報をインターネット上のwebサイトに用意し,生徒がアクセスすることで探究的に学習できるように構成されている。 特に近世以降のドイツの多民族化と多文化化の進展については,統計資料などを用いた社会史によって構成されており,上記のwebサイトの一次資料を用いて解釈する学習が想定されている。現代史については,政治教育やEUに関する教育と連動して展開されており,多文化的市民としてのシティズンシップの育成を重視した内容となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査は,ドイツ一国となったが,アメリカ・カナダに関しては,インターネットを活用した情報収集を行っており,フレームワーク,カリキュラム,教科書,教材についての調査が進んでいる。 カリキュラム,教科書の内容構成についても,2回の多文化的社会科教育国際比較研究会での検討で進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,アメリカとカナダの現地調査を行い,より詳細な資料の収集と,多文化教育・社会科教育の専門家及び実践家へのインタビューを行う予定でいる。 5月,8月,2月に多文化的社会科教育国際比較研究会を開催し,アメリカ・カナダ・ドイツの比較分析と海外調査計画を策定し,比較分析の中間報告を行う。 中間報告を,日本社会科教育学会,全国社会科教育学会,日本地理教育学会,日本環境教育学会,CitizEDなどで行う予定である。
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Causes of Carryover |
購入を計画していた文献の納期が年度内に間に合わなかったこと,資料の整理などの業務を研究分担者が行ったため謝金などの支出が抑えられたことから,当該助成金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
購入を計画していた文献が納入され次第,当該助成金で執行する。翌年度請求助成金については,ドキュメント・スキャナーなど資料整理に必要な機材の購入を使用計画に追加する。
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