2015 Fiscal Year Research-status Report
東アジアの未来を選択する国際理解教育のカリキュラム・教材開発-日韓関係を中心に-
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26381258
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
釜田 聡 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (60345543)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 東アジア / 未来の選択 / 日韓基本条約 / ESD |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目の研究実績は次の3点である。 1初年次の研究成果と課題を総括し,東アジアの未来を選択する国際理解教育の内実を再検討した。具体的には,最初に東アジアの未来についての児童生徒や大学生の認識を具体的な授業実践を通じて抽出した。続いて,その結果を集計・分析・考察し,今後の東アジアの未来を選択する新しい国際理解教育の内容と方法を整理した。並行して,ここまでの研究成果を視野に入れながら,東アジアの未来を考えるにふさわしい歴史的建造物や博物館,史跡等を選定・訪問し,カリキュラム・教材開発のための資料収集を行った。 2国内外のフィールドワークを行い,資料収集に努めた。東アジアの中で,日韓関係をとらえるため,北京・上海・ソウルを訪問し,資料収集と教育研究交流を行った。その結果,東アジアの中における日韓関係,あるいは東アジアの未来へのカリキュラム・教材開発の可能性院ついて示唆を得ることができた。 3日韓基本条約に関する中学校歴史教科書分析を行った。日本国際理解教育学会が設定した学習領域「未来への選択」を手掛かりに,日本と韓国の日韓基本条約に関する学習指導要領の記述と中学校歴史教科書叙述を比較検討し,未来を選択する国際理解教育カリキュラム開発の視点を導出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は昨年度に引き続き,東アジア諸地域のフィールドワークと教科書,資料集,児童生徒を取りまくメディア環境,社会・文化的環境などについて基礎的調査を行い,その資料収集と整理に努めた。主に東アジア諸地域の歴史教育と国際理解教育に関する資料収集を行った。これらの研究成果は,今年度の研究計画の中核をなすものであり,おおむね期待通りの進捗状況であった。一方で,日韓の政治外交面での困難に直面し,東アジアの未来に向けてお領土問題等の扱いには苦慮しているところである。この点については,最終年度に向け,政治外交面等を配慮しつつ,実施可能な部分から進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度(3年目)は,最初に,これまでの研究成果と課題を総括し,東アジアの未来を選択する国際理解教育の要件を再検討する。次に,日韓の教育の新しい潮流を的確につかむ。また,マスコミの報道姿勢や東アジアの未来についての児童生徒や大学生の認識を把握する。続いて,その結果を整理して,今後の東アジアの未来を選択する新しい国際理解教育の内容と方法を整理する。東アジアの未来を考えるにふさわしい歴史的建造物や博物館,史跡等を選定・訪問し,カリキュラム・教材開発のための資料収集を行う。 最後に,これまでの研究成果を総括・整理し,研究論文として研究成果を世に問う。
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Causes of Carryover |
東アジア状勢が政治外交上で困難な状勢であり,当初予定していた研究計画の一部が最終年度に延期せざるを得なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度実施できなかった研究計画を最終年度の本年度に実施する予定である。次年度使用額は,旧年度の研究計画実施に充当する予定である。
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Research Products
(5 results)