2015 Fiscal Year Research-status Report
医学部におけるリベラルアーツとしての言語教育カリキュラム研究:自律的学習者の育成
Project/Area Number |
26381283
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
藤森 千尋 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10707657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種田 佳紀 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40610324)
伊澤 宜仁 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (70760601)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 統合カリキュラム / 医学英語 / アカデミック・ライティング / 自己効力感 / 学習意欲 / 自律的学習者 |
Outline of Annual Research Achievements |
医学部におけるリベラルアーツとしての言語教育カリキュラムに関する研究:自律的学習者の育成が本研究課題であり、勤務大学におけるカリキュラム改革と機を一にしているため、平成27年度はカリキュラムに関する研究、開発、実践が一体化して追究された。全国的な医学部カリキュラム改革における科目の統合化に着目し、平成27年度は、医学専門科目と教養科目としての英語科目の統合である、「医学英語」カリキュラムの開発、及びリテラシー教育の一環としての「アカデミック・ライティング」カリキュラムの開発と実践及びデータ収集と分析が主な研究実績である。まず、「医学英語」カリキュラムに関しては、1年次におけるMedical English for General Purposes, 2年次におけるMedical English for Academic Purposes, 3年次のMedical English for Specific Purposesとして、医学専門科目担当教員と連携し、医学英語専門書読解の授業を開発、実践した。アンケートや達成度テスト、熟達度テストなどのデータをもとに、自律的学習者育成について着目されている「自己調整学習」研究から、キー概念となる「学習意欲」、「自己効力感」、「学習方略」をキーワードとして、それとテストスコアとの関連などについて分析した。また「アカデミック・ライティング」に関しては、論理的思考力と英語による表現力を身につけることを目的として、平成26年度に詳細に報告した内容に修正・改良を加え、外国人講師との連携プログラムの形式で再開発し、その成果についてデータを収集した。更に、本研究課題に間接的に繋がる研究として、言語リテラシー教育と関連する、初等・中等教育における国語科と英語科の連携プログラムに参画したり、自律的学習者研究と関連する「自己形成」と言語学習との関連についても調査を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請当初は、カリキュラム研究、その後、開発および実践へと進む予定であった。しかし、昨年度の報告書でも述べた通り、医学部のカリキュラム改革は喫緊の課題であり、現在、研究、開発、実践が一体化して進んでいる。これは、カリキュラム開発についての新しいあり方で、開発と実践と省察・研究(一定の手法による分析により知見の一般化に至ったもの)という流れで、更に改良・開発へと繋がる。その循環で考えるならば、具体的なカリキュラム開発が大いに進んでいるということ、データ収集まで終わっていること、などを踏まえると、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、次のように大きく分けて2つの視点から追究される。1つ目は、医学部における言語教育カリキュラムに関するデータを幅広く収集し、分類・分析する中で浮かび上がる医学部カリキュラム全体における言語教育カリキュラムの位置づけといったマクロな視点での検討である。もう1つは、具体的なカリキュラム開発と実践、その中で収集したデータの分析によって具体的な成果について検討するというミクロな視点である。先に述べたように、カリキュラム開発と実践とが先行し、ミクロな視点の研究が進んでいる状況である。今後は、現在あるデータの分析を進めるとともに、更に必要なデータの収集、それらをまとめるとともに、マクロな視点での情報収集と分析を行っていく予定である。また、そのようにして得られた知見をまとめ、国内外において更に発信していく予定である。
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Causes of Carryover |
海外の研究発表の決済が、日程的にぎりぎり次年度(平成28年4月)になったことと、新しく2名の共同研究者を研究分担者として申請し、彼らとの海外発表を平成29年度に予定しているため、その分を繰り越す計画に切り替えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は海外での個人発表や共同研究発表(平成29年度)など、海外における研究発表計画を立てている。
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Research Products
(4 results)