2016 Fiscal Year Research-status Report
「中1不登校」解消に向けた「小中学校兼務教員」の配置効果に関する研究
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26381300
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
藤平 敦 国立教育政策研究所, 生徒指導・進路指導研究センター, 総括研究官 (60462157)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 「不登校新規出現率」 / 「小中連携」 / 「兼務教員」 / 「安心感」 / 「学習意欲」 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主目的は、「小中学校兼務教員」の配置が、中学1年生の学校不適応解消とともに、不登校の出現を抑制できているかどうかを、X県Y市内の全小学6年生と全中学1年生の児童生徒を対象とした質問紙調査を基に確認することである。 平成28年度はX県Y市内で前年度の小学6年時に質問紙調査を行った全中学1年生を対象とした「学校生活に関する質問紙調査」を、予定通りに年2回実施した。その際、「小中学校兼務教員」が配置されている校区出身の生徒と配置されていなかった校区出身の生徒に分けて集計をした。 その結果、「学校生活に関する質問紙調査」の集計結果からは、「小中学校兼務教員」が配置されている校区出身の生徒の方が、配置をされていない校区の生徒に比べて、肯定的な回答をした割合が高かった。 効果指標としている「不登校児童生徒数」は前年度よりも、約10%の減少と前年度での減少率と同じであったが、新規不登校出現率は、昨年度と比べて約30%減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3年間、質問紙調査ならびにヒアリング調査を計画通りに、継続して実施できている。また、調査を重ねる度に、不登校の出現率を抑えていることができていることは、配置されている「小中学校兼務教員」の意識と行動とともに、当該校の管理職の理解が高まってきていることも要因の1つであることが、ヒアリング調査からも明らかである。発令された後に、兼務教員の行動が機能していくためには、管理職の理解が不可欠であるという知見は、今後の兼務教員の効果的な在り方に結びつくものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度は、「兼務教員」の発令の有無と不登校発生率との関係をY市全体で確認する。そして、これまでの結果を踏まえて、兼務教員のどのような行動が不登校の出現を抑えることに結びついているのかを整理して可視化する。
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Causes of Carryover |
X県Y市へでのヒアリング調査の日程が、先方の都合で、短縮して実施したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ヒアリング調査以外に、「小中学校兼務教員」の活動状況を参観するために、Y市への訪問予定回数を増加させる。
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