2014 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児の適応スキル評定における保護者と教員のずれに関する探索的研究
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26381307
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
名越 斉子 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (30436331)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アセスメント / 発達障害 / 評定者バイアス / 特別支援教育 / 適応スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
埼玉県、東京都内の12の発達障害・情緒障害の通級指導教室・学級を対象に往復郵送法で調査を行った。第1回目(6~7月)には54組、第2回目(1~2月)には50組の保護者・通級担当教員から、発達障害および発達障害が疑われる児童生徒の診断や検査、主訴、社会適応(ASA旭出式社会適応スキル検査、質問紙)、育児に対する自信(質問紙)に関するデータを収集することができた。全協力者から結果報告の希望があったため、書面でASA旭出式社会適応スキル検査の概要を報告した。さらに、知能・認知検査がない、あるいは古い結果しかなく、保護者や本人の了解や希望があった生徒2名にはWISC-Ⅳを別途実施し、結果を書面・口頭で報告した。第1回目の調査で、保護者と教員がともにインタビュー調査への協力可能と回答し、両者に特徴的な社会適応の評価のずれ(教員・保護者のASA旭出式社会適応スキル検査の全検査合計点差が全事例の平均から1標準以上高い・低い、ほぼ同じ)の10組を抽出し、通級指導教室・学級にて1時間程度のインタビューを行い、ASA旭出式社会適応スキル検査の結果の説明を行うとともに、結果に対する感想等を聴取した。インタビューは保護者や担当教員の希望を踏まえ、7組は両者同席、3組は両者別に行い、4組は保護者と通級担当教員の結果を比較しながらインタビューを進めた。これらの調査に際しては、調査用紙の配布・収集、日程調整を各通級指導教室・学級の担当教員に依頼した。なお上記の組数は、調査への協力同意が書面で提出され、分析可能なデータ状態(一部の欠損値など)であった事例数を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すべての調査は予定通りの時期に実施が完了し、結果報告希望者(全員)には書面での報告も行った。対象児童生徒の転校や学校適応状況の好転、未記入項目の多い事例で第2回目調査の実施ができなかったが、十分な組数のデータを収集することができたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究統括者が長期研修で国外にいる期間が長いため、調査用紙の配布や受領には本学の教員や平成26年度に本研究の補助を行い、データの処理や扱いのトレーニングを受けた大学院生の協力を得る。また、インタビューやコンサルテーションは一時帰国時に直接面談を行うとともに、電話やメール、ネットを活用して行う。こうした方法への一部変更に伴い、これらの方法での研究協力が可能な通級担当教員・保護者に事例数を絞り、計画当初よりもやや小規模の追跡研究を進める予定である。平成26年度の調査協力者組数が計画よりも多く、十分であったことも、この判断の理由の一つである。
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Research Products
(3 results)