2016 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation and Effective Support Methods of Male Abused Children in Mental Retarded Children
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26381323
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井上 雅彦 鳥取大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20252819)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 知的障害 / 発達障害 / 虐待 / 入所施設 / 家族支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は特に知的障害児児童入所施設における被虐待児童生徒における支援方法について検討することを目的としている。特別支援学校在籍児童生徒125名を対象にABC-J及び強度行動障害判定基準を実施したところABC-Jと強度行動障害判定基準の両者で入所児群の得点が統計的に有意に高いことが示された。また、入所施設に対する調査の結果、調査対象となった知的障害児入所施設において、約半数の入所児童生徒が措置入所であり、契約入所の場合も虐待が疑われる事例が含まれること、その他経済的理由、訓練的な入所まで多様なニーズがあり、職員は広範な対応を求められていることが示された。課題として行動障害に関連する客感的なアセスメントの活用、入所後の行動障害への対応と医療機関や学校、その他の専門機関との連携、18歳以上の生徒の次の生活の場所が見つけられないという実態も明らかになった。事例研究については、虐待傾向や虐待を主訴として来談した事例に対する認知行動療法による心理的支援を行った。結果、グループペアレントトレーニングに一定の効果を認めたが、個別支援を併用することの有効性が示され、セーフティーネットの確認と形成、来談行動の強化、共感的態度、虐待的行為の背景要因に対する聞き取り、機能的アセスメントに基づくアセスメント、行動観察表など自己記録と具体的なフィードバック、母子平行介入の重要性が示唆された。入所施設や関連機関においては、予防のための支援機関連携、要対協や児相・施設などアセスメントから情報共有、退所と自立までを見通した支援計画、退所後の連携とスーパービジョンシステム、特に行動障害の治療と保護者支援など総合的な支援モデルの必要性が示唆された。
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Research Products
(28 results)