2016 Fiscal Year Annual Research Report
Stochastic analysis on infinite dimensional spaces and its related differential operators
Project/Area Number |
26400134
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河備 浩司 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80432904)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 確率論 / 確率解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は以下の3つの研究を引き続き行った。
(1) 昨年度から引き続きSergio Albeverio, Michael Roeckner両氏と(cut-offが入った)exp(\phi)_{2}-量子場の確率過程量子化に現れる無限次元拡散過程の研究を主にDirichlet形式の視点から行った。特に2016年9月に本研究費を用いてBonn大学に3週間滞在し, Albeverio氏との議論を重ねることで、この量子場の電荷定数に関する技術的な仮定を緩めることができ、Dirichlet形式の生成作用素の本質的自己共役性についての結果がさらに改良された。これらの改良を含めた論文を執筆中である。 (2) 石渡聡氏および大学院生の難波隆弥氏とのベキ零被覆グラフ上の非対称ランダムウォークの中心極限定理に関する共同研究はさらに進展し, 2種類の汎関数中心極限定理を得ることに成功した。論文は現在執筆中であるが、国内外の多くの研究集会で口頭発表を行い, 結果の一部はOberwolfach Reports, 京都大学数理解析研究所講究録にて公表された。 (3) 抽象Wiener空間上の(元のWiener測度に絶対連続な)Gauss測度全体の集合にWasserstein距離を入れると非負断面曲率をもつ非完備な無限次元Riemann多様体になることは, 昨年度までに高津飛鳥氏との共同研究で得られていたが、今年度はこの多様体の完備化の特徴付けまで得ることができ, 昨年度までに作成した高津氏との共著論文の改訂作業を行っている。
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