2014 Fiscal Year Research-status Report
差分方程式の擬概周期解の存在と放射能による機能性EDモデルの数値解析的手法の研究
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26400181
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
濱谷 義弘 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (40228549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤見 英男 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (70098581)
榊原 道夫 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (70215614)
河野 敏行 岡山理科大学, 総合情報学部, 准教授 (90309534)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 概周期解と概周期族解(ポーランド) / Favardタイプの存在定理(アメリカ) / テストステロン分泌の時間遅れを持つ制御モデル / 微小放射能反応項を持つ時間遅れED制御モデル / 前処理付反復法 / GPU |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、研究実施計画1)の前段階である、有限の時間遅れを持つRickerモデルの周期解の存在定理について、院生と共にY. Hamaya and T. Tanaka, Existence of periodic solutions of discrete Ricker delay models, Inter. Journal of Mathematical Analysis, Vol. 8, No. 19 (2014) を表し、さらに概周期解の存在定理について、Y. Hamaya, Existence of almost periodic solutions of discrete Ricker delay models, Inter. Journal of Difference Equations, Vol. 9, No. 2 (2014) 187-205 を作成し、周期解・概周期解の存在定理の総括として、Y. Hamaya, Existence of periodic and almost periodic solutions of discrete Ricker delay models, Theory and Applications of Difference Equations and Discrete Dynamical Systems, Springer, Vol.102, (2014) 171-185を表した。また、研究実施計画2)のEDモデルの構築に必要な技術的手本として3次元の血液・リンパ液中体内感染モデル、Y. Hamaya and Y. Ikegami, Global stability properties of dynamics discrete modelsを院生と専門誌に投稿中である。さらに2種Ricker競争モデルの大域的漸近安定性の結果について、Y. Hamaya, Global asymptotically stable of a non‐autonomous discrete Ricker competition systemをAdvances and Applications in Mathematical Sciencesに印刷中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遅れている理由は、代表者が平成25年度まで継続的に申請した研究とは別に続けてきた、この申請研究とは概周期解の存在定理として関連があるが主に数理生態学の研究対象である、関数差分方程式の周期解・概周期解の存在定理とその応用について、特にある一個体種の時間遅れを持つRickerモデルの周期解・概周期解の存在定理について、一応の決着を見るために当所予定の数ヶ月から半年以上大幅にオーバーしてしまい、平成27年1月まで食い込んでしまったことである。しかし、この間に行った研究は決して無駄ではなく、その証明の手法やLiapunove汎関数を見つける技術的テクニックは申請研究のEDモデルにも十分応用できる。また、現在までの達成度の遅れは申請計画の最終年度までに、半分以上取り戻せると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの達成度」で記したように、当初の申請計画から半年以上の遅れを生じたが、研究代表者はその間何もしなかった訳ではなく、概周期族のFavardタイプの存在定理を構築し、専門誌に投稿準備最終段階であり夏休前までには投稿を完了している。さらに、男性生殖ホルモンの増殖に大いに関係しているテストステロン分泌の時間遅れを持つ制御モデルの概周期解及び概周期族解の存在定理を取り扱った論文も同時に作成中で、夏休中に投稿予定である。この結果を足がかりにして、実際のED制御モデルの概周期解及び概周期族解の存在定理を構築し、シミュレーションを行う予定で、論文作成・投稿は遅くとも今から半年以内で完成する予定である。また、今年度中には、上記ED制御モデルに微小放射能反応項を加えた研究計画のモデルである積分微分/和分差分ED方程式の概周期解及び概周期族解の存在定理を構築し投稿予定である。以上のEDモデルで、申請研究内容のED現象を数学的に特徴付できれば、後は研究分担者3名による、コンピュータを用いてこの微小放射能反応項を持つ時間遅れのED制御モデルをシミュレーションし、それを可視化して実際の症例結果と比較検討して、パラメータの調整等を行う必要がある。唯一の問題点は、最終年度計画に予定している実際の微小放射能の影響による正確なED症例結果をどれほど得られるか、必要性に応じて福島の現地に入って、専門外の医学的調査が可能かどうか不明な点である。上記調査等が不可能な場合には、データ提供でこの分野の泌尿器科関連機関の協力を仰ぐ必要がある。
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Causes of Carryover |
平成26年度に購入予定をしていたGPUの計算装置は価格の変動により,予定額を超えてしまったため,同程度の製品を検討したが,今年度の時点では該当するものを決定しなかったので,購入を延期した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に繰り越すことで,予算内に収まる同程度の製品を検討し,購入を計画している.購入した計算環境で,数値シミュレーションを行う予定である.
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