2014 Fiscal Year Research-status Report
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26400191
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
池田 宏一郎 法政大学, 経営学部, 教授 (60332029)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | モデル理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
無限構造を構成する重要な手法のひとつとしてジェネリック構成法がある.本研究ではジェネリック構造を様々な角度から解析を試み,いくつかの結果が得ることができた. まず本研究の開始と同時に,ジェネリック構造のモデル完全性について,すでに知られている事実からすぐに導かれる性質と未解決の問題とを整理し,その内容を論文(RIMS講究録に掲載)にまとめた.その後,神戸大学の桔梗氏との共同研究により,Hrushovskiの単純ジェネリック構造のモデル完全性を証明し,その結果をまとめた論文がProceedings of the 13th Asian Logic Conferenceに掲載された.一方,RIMS講究録論文の検討を継続することで,ジェネリック構造におけるモデル完全性の特徴づけ定理を得て,その結果を8月に開催されたモデル論国際研究集会で発表し,論文(Proceedings of the 13th Asian Logic Conferenceに掲載)にまとめた.また,8月の国際研究集会に参加していたモデル論研究者との議論を基にして,Baldwin-Shelahの準モデル完全性に関する定理を一般化することに成功し,得られた結果を日本数学会秋季総合分科会およびRIMS研究集会で発表し,論文としてまとめたものがRIMS講究録に掲載予定である.その後,桔梗氏と定期的な研究打ち合わせを行い,ジェネリック構造のモデル完全性と範疇性に関する定理を得て,その結果を日本数学会年会で発表した.この結果についてはまだ解析に不完全なところがあり,共同研究を継続中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的はジェネリック構造を用いてLachlan予想の解決に近づくことにある.そのための中間目標として,平成26年度はジェネリック構造の解析および分類を設定した.具体的には,ジェネリック構造のモデル完全性について調べることを目標においたが,ジェネリック構造に関するモデル完全性の特徴づけ定理を得るなど,おおむね順調に研究は進展していると思われる.しかしながら,有名なジェネリック構造であるHrushovskiの擬平面がモデル完全性かどうかわかっていないなど多少の課題は残っている.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの本研究の目標達成度はおおむね順調であるが,2つの有名な例に関するモデル完全性がわかっていない.しかし,少なくともそのうちの1つの例は,桔梗氏との共同研究によりモデル完全性が得られた例と酷似しており,同様の手法により解決できるのではないかと考える.そしてジェネリック構造のモデル完全性に関する解析が進めば,最終目標達成の可能性がより高まると考える.
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Causes of Carryover |
平成26年秋に開催されたRIMS研究集会に,中国のモデル理論研究者を招聘し,研究打ち合わせを行う予定であったが,先方の都合により来日が不可能になり,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度秋も前年度と同様にRIMS研究集会が開催される予定であるので,前年度に招聘予定であった中国のモデル理論研究者を招聘し,研究打ち合わせを行う予定である.
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Research Products
(10 results)