2015 Fiscal Year Research-status Report
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26400191
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
池田 宏一郎 法政大学, 経営学部, 教授 (60332029)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | モデル理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ジェネリック構造の性質を深く調べることで,Lachlan予想の解決に少しでも近づくことにある.そこでまずジェネリック構造のモデル完全性について調べ,ジェネリック構造の準モデル完全性に関する特徴づけ定理を得ることができた.この結果は,ヘルシンキ大学で8月に開催されたLogic Colloquium 2015で発表され,結果をまとめた論文はRIMS講究録に掲載された.ジェネリック構造の準モデル完全性についてはほぼ完全にわかったが,どのようなジェネリック構造がモデル完全性をもつかなど,まだわかっていないことが多く,問題点を含めて得られた結果を,法政大学で8月に開催されたモデル理論研究集会で発表した.つぎにジェネリック構造の順序性について調べ,ジェネリック構造の強順序性に関するEvans-Wongの結果を一般化することができた.この結果は日本数学会秋季総合分科会で発表された.最後にジェネリック構造の安定性について調べた.飽和性をもつジェネリック構造は安定性をもつが,非飽和ジェネリック構造の安定性はまだあまりわかっていない.しかしジェネリック構造が強融合性をもつ場合は安定になることがわかった.この結果からShelah-Spencerのランダムグラフが安定になることもわかる.この結果はRIMS研究集会と日本数学会例会で発表され,結果をまとめた論文はRIMS講究録に掲載予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,ジェネリック構造の研究を通してLachan予想の解決に少しでも近づくことにある.平成27年度の目的は,非飽和ジェネリック構造の解析にあったが,非飽和ジェネリック構造が安定になるための十分条件のひとつ(強融合性)を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究で重要なことは,非飽和ジェネリック構造が強融合性をもたない場合に安定になる例をさがすことにある.もし存在すれば,本研究の目的であるLachlan予想の否定的解決につながる重要な例となるはずである.
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Causes of Carryover |
平成27年度は,海外研究者を招聘し共同研究を行う予定であったが,先方の都合により,予定していた共同研究は行われなかった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は,9月に海外研究者を日本に招聘し,共同研究を行う予定である.
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Research Products
(9 results)