2016 Fiscal Year Annual Research Report
Precise Measurement of the Conductivity and Thermoelectric Power of the Quantum Hall Systems with Artificially Designed Modulation
Project/Area Number |
26400311
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 彰 東京大学, 物性研究所, 助教 (20260515)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 量子ホール効果 / 高周波伝導率 / 熱起電力 / 2次元電子系 / エッジ・マグネトプラズモン / エピタクシャルグラフェン |
Outline of Annual Research Achievements |
コプレーナ型導波路を用い、量子ホール系のマイクロ波吸収率、および、マイクロ波加熱により発生する熱起電力の、詳細な磁場・マイクロ波周波数依存性の測定を行った。以前より発見していた量子ホール領域における、磁場に依存する起源不明の吸収の共鳴ピークは、熱起電力にても、測定条件によってはマイクロ波吸収測定よりも明瞭に、観測可能であることを明らかにした。 コプレーナ型導波路の中心導体に負バイアスを印加して直下の領域を空乏化することにより、マイクロ波吸収がおこるコプレーナ型導波路のスロット領域に量子ホールエッジ状態を導入すると、同様の磁場・周波数依存性を持つ共鳴ピークが、高強度で観測された。これは、エッジ・マグネトプラズモンの励起によるピークと解釈できる。これらの観測から、以前より観測されていた共鳴ピークも、やはりエッジ・マグネトプラズモン励起に因るものであり、マイクロ波吸収領域と量子ホールエッジが空間的に数100マイクロメートル離れていたため、低強度で観測されていたものと理解できることを明らかにした。 昨年度行っていた、単層・2層領域が混在するSiC上エピタクシャルグラフェンの磁気抵抗の解析にて、2層領域の分散関係をより正確なものに改め、単層・2層領域のディラック点のエネルギー差を正しく取り扱うことにより、磁気抵抗解析から得られる両層の面積比と、原子間力顕微鏡による直接観察で得られる面積比の一致が劇的に改善されることが判明した。
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Research Products
(3 results)