2015 Fiscal Year Research-status Report
生物体表面の濡れ:超撥水表面構造と浸み込み現象に関する理論的考察とその実験的評価
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26400424
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
眞山 博幸 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (70360948)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ソフトマターの物理一般 / 昆虫や植物の生態 |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度においていくつかの研究成果が得られたが、その代表的な成果を以下に示す。
疎水性細孔への水の浸透条件の解明:植物や昆虫の表面は疎水性であり、その表面にミクロンスケールの孔が空いている。このような疎水性の孔への液体の浸透は外注に対する農薬の有効性の問題と密接に関連しているものの、液体が浸み込む条件はまだよくわかっていない。この問題は基本的な濡れの問題の一つである。今回、我々はこの問題を理解するために実験と理論の両面から研究を行った。まず、疎水性基板にミリスケールの孔をあけ(直径0, 5, 10, 15 mm)、水滴を乗せた状態である高さから実験台の上に落とし、水滴がどの条件で浸み込むかについて知見を得た。具体的には水滴をしみこませるために必要な落下の高さが孔の直径に反比例の依存性を示すことが分かった。次に実験結果を理解するための理論的な枠組みを考察した。液滴が疎水性孔に浸み込むための駆動因子は位置エネルギーであり、浸み込みの抑制因子は水の粘性によるエネルギー散逸、表面エネルギーを考慮した。その結果、実験で得られた疎水性孔への水の浸透条件を説明することに成功した。 今回得られた知見は植物や昆虫の体表面へ液体が浸み込む現象を理解するための第一歩となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿って研究が進展している。現在、ハスの葉のダブルラフネス構造が何故重要であるのか、鳥の羽根の階層構造はどのように超撥水性に寄与しているのか等の基本的な問題について研究成果が得られつつある状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に沿って研究を行う。研究成果が得られつつある研究テーマについて、適時、学会発表、論文投稿、プレスリリースを行ってゆく予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度末に投稿した論文がAdvanced Functional Materialsに受理され、表紙のデザインに採用された。このときにデザイン料、掲載料の支払いが次年度をまたぐことが予想されたため、研究費を繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度にデザイン料と掲載料として使用する。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] ロータス効果とペタル効果の再考察2015
Author(s)
眞山博幸, 山本峰秀, 西川直樹, 藤永典子, 野々村美宗, 横島智, 中村振一郎, 内田欣吾
Organizer
日本物理学会 2015年秋季大会
Place of Presentation
関西大学(千里山キャンパス)
Year and Date
2015-09-16 – 2015-09-19
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[Presentation] Lotus and Petal Effects: Model Experiments and Theory2015
Author(s)
H. Mayama, Y. Nonomura, N. Nishikawa, N. Fujinaga, S. Yokojima, S. Nakamura, K. Uchida
Organizer
The 15th Conference of the International Association of Colloid and Interface Scientists (IACIS 2015)
Place of Presentation
Convention Center, Rheingoldhalle, Rheinstrasse 66, 55116, Mainz, Germany
Year and Date
2015-05-25 – 2015-05-29
Int'l Joint Research
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