2016 Fiscal Year Annual Research Report
Precise Structure Analysis of Multi-Components Origanic Thin Films by Grazing Incidence X-ray Scattering utilizing Wide Energy X-rays
Project/Area Number |
26410132
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 勝宏 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30314082)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 斜入射小角X線散乱 / テンダーX線 / 高分子薄膜 / ブロック共重合体 / 高分子構造 / 深さ分解 |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子材料のようなソフトマターが有する階層構造においてnmオーダーの非破壊構造解析には小角X線散乱法(SAXS)が適しており様々な研究がなされてきた。また高分子の薄膜に関しては、微小角入射X線散乱法(GISAXS)による超薄膜(厚みnmオーダー)内部の構造解析が可能であることが申請者を含めが数多くの研究者)によって示されている。一般にX線散乱法によるソフトマターの構造解析には主に硬X線(波長0.06から0.15nmあたり)が最も利用されている。近年は放射光X線源の利用が一般的となり、様々な波長のX線が利用できる環境が整ってきた。本研究では特に、低エネルギーX線(テンダーX線領域1-4keV程度)を用いたGISAXS法の利用による高分子薄膜の膜厚み方向の構造不均一性を定量的に評価すること(深さ分解構造解析)を目的として研究を遂行した。低エネルギーX線は透過能が低いため通常の透過X線散乱には不向きである。しかしX線を全反射臨界角近傍で入射させるGISAXS法への低エネルギーX線の利用は、X線エバネッセント波の表面からの侵入深さが最適となり有効となる。波長に依存するX線の侵入深さを制御しやすくなり利点を活かす(実質的には数10-100nm程度)ものである。我々はポリスチレンとポリ2ビニルピリジンからなるジブロック共重合体、ポリメタクリル酸メチルとポリアクリル酸ブチル、側鎖液晶性高分子薄膜を用いた、上述の深さ分解構造解析により、薄膜の試料表面近傍から内部に向かってどのように構造が変化していくのか、また表面と内部、空気表面と基板界面側でどのように構造に違いがあるのかなどを評価した。これらの研究成果は、審査有論文6編、総説1編と書籍1冊にまとめ報告した。
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