2016 Fiscal Year Annual Research Report
tandem-type thin layer-electrolytic flow cell for absolute determination of ions in mixed solution
Project/Area Number |
26410150
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 裕美 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 准教授 (40314306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 耕治 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 教授 (00229303)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 液液界面 / イオン移動 / 薄層電解セル / タンデム型 / 絶対定量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者が開発してきた液液界面薄層電解セルを2つ連結させたタンデム型薄層電解フローセルを開発し、これを質量分析の前段階に設置することで、「分離」「絶対定量」「定性分析」をワンフローで実現できるシステムを目指してきた。本研究では、以下のことについて検討した。 (1)タンデム型液液界面薄層電解セルの構築 申請者が開発してきた液液界面薄層電解フローセルを二つ連結させ、上流を分離セル、下流を検出セルとしたタンデム型電解フローセルを構築した。既知濃度の異なる標準イオン2種を含む混合溶液を注入し、分離・絶対定量の分離度、電解効率を調査した。上流の分離セルでは、すべてのイオンを一旦有機相に濃縮した後、印加した電位を掃引することで、二つのイオンを、順次、逆抽出し、下流の検出セルにて、分離したイオンの電解抽出によるクーロメトリーを行った。分離度は、分離セルにおける引加電位の掃引速度に大きく依存したが、流速への依存は小さかった。最適条件を選んだとき、二つのイオンは、それぞれ87%、96%という良好な電解効率で検出されることがわかった。これは、二つのイオンの同時絶対定量法となる。 (2)イオノフォアによる促進移動を利用した Na+ と K+ の絶対定量 イオンと選択的に錯生成する中性配位子を、薄層電解セルの有機相に添加し、Na+ と K+ の分離・絶対定量を試みた。薄層電解セル中では、Na+ とK+ が異なる電位で抽出されるイオン移動ピークを明瞭に観察できた。同システムをタンデム型電解フローセルに適用し、上記と同様に分離・絶対定量を行った。その結果、検出セルにて、Na+ と K+ の分離を示す二つの電流ピークが観察された。しかし、電解セルや電極からのNa+ の汚染により、Na+ と K+ の電解効率は、15%、115%と誤差が大きくなった。イオノフォアによる促進移動系に関しては、さらなる検討が必要と考えている。
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Research Products
(7 results)