2014 Fiscal Year Research-status Report
クラウンカムを用いたスチームエンジンの開発に関する研究
Project/Area Number |
26420074
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小松原 英範 山形大学, 理工学研究科, 助教 (40361274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大町 竜哉 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (80250679)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 機械要素 / 機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代の輸送機器のほとんどは化石燃料をエネルギー源としている.しかし,化石燃料の枯渇や排気ガスによる大気環境汚染が問題となっており,燃料の節約やエネルギーを有効活用するための技術が求められている.大型船舶のディーゼル主機関では,燃料のもつエネルギーの約35[%]が排気ガスの熱として捨てられている.本研究は,排気熱からエネルギーを回収する技術の確立である.排気熱から蒸気を生成し,スチームエンジンによる発電が可能となれば,大幅な船舶の省エネルギー化が実現できる.本研究の目的は,船舶で生成される低圧の蒸気を使用して作動する発電用のスチームエンジンの開発である.なお,平成26年度の進捗状況は以下の通りである. [1.クラウンカムを用いたスチームエンジンの機械効率の解析] 本研究では,出力2kWのスチームエンジの開発を設計目標とする.スチームエンジンの実用化には機械効率が重要である.そこで本研究ではスチームエンジンの実用化に向けて理論的な機械効率の解析を行った.解析ではまず,摩擦を考慮せずにピストンの往復運動がクラウンカムを介して回転運動に変換されるとき,出力軸に作用するトルクを求めた.その後,各部の摩擦および吸排気装置の損失を考慮して,装置全体の機械効率を算出した.それを基にスチームエンジン実験試作機の最適設計を行った. [2.クラウンカムを用いたスチームエンジンの設計] スチームエンジン実験試作機本体は,理論的な機械効率を基に最適設計を行った.また,低圧蒸気を用いてスチームエンジンが作動するように,最適なシール部品や熱処理および表面処理の検討を行った.スチームエンジンの作動には,ピストンの位相に応じて適切なタイミングで蒸気の供給および排気を行う給排気装置が必要である.そこで,より機械損失の低い給排気装置として,ロータリーバルブ方式の吸排気装置の設計を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた,(1)クラウンカムを用いたスチームエンジンの機械効率の解析(2)クラウンカムを用いたスチームエンジンの設計について,すべてが順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度については以下の項目を予定している. [1. スチームエンジン試作機の製作・設置・試運転] 平成26年度に設計したスチームエンジン試作機本体および給排気装置を実際に製作する.スチームエンジン試作機本体および吸排気装置は外注で製作する.製作費用には材料費,フレームの木型費,熱処理費,加工費,組立費を含んでいる. 製作したスチームエンジン試作機の設置を行い,設置後に配管作業および配線作業を行う.試作機本体設置費用は,試験装置本体の配送費,設置費,配管作業費,配線費用および試運転費を含んでいる.その後,圧縮空気を用い,試運転を行う.圧縮空気を用いた試運転では,まず,吸排気装置の作動確認を行う.その後, スチームエンジン試作機本体の動作確認および試験を行う.圧縮空気による試運転試験結果より,試作機本体問題点の調査を行い,試験機本体および吸排気装置の設計変更・再加工・修正などを行う.
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