2014 Fiscal Year Research-status Report
環境観測用小型無人航空機UAVの製作とシステム構築
Project/Area Number |
26420194
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川崎 一正 新潟大学, 産学地域連携推進機構, 准教授 (50214622)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 精密機械システム / 無人航空機 / 切削加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究代表者らがこれまで開発してきた無人航空機(UAV,Unmanned Aerial Vehicle)を実地における環境観測用として展開し、小型軽量化を図ることを主な目的としている。 平成26年度は、開発したUAVを実地における環境観測用として展開し、小型軽量化を図るための第一段階として、UAVエンジン部品の高精度切削加工による製作法を確立することを主な研究実施内容として研究を遂行した。 UAVの主要部となるエンジンの部品はインコネル材、ステンレス材やチタン材など難削材から成っていることから、まず、難削材の切削特性を明らかにすることを目的として、難削材の単純形状部品について、切削条件を変えることにより、切削加工を行い、切削特性を明らかにした。また、切削した部品の加工精度を測定し、これについて検討した。次いで、多軸制御工作機械による小型UAVエンジン部品の難削材切削加工に、形状精度の劣化に影響を与える誤差要因を見出した。その結果、加工精度の向上を図るためには、切削条件に加えて、形状精度の劣化に大きな影響を与える誤差の補正を行い、切削加工に反映させることが効果的であることを明らかにした。さらに、得られた結果に基づいて、工具の小型化、最適形状について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、開発したUAVを実地における環境観測用として展開し、小型軽量化を図るための第一段階として、UAVエンジン部品の高精度切削加工による製作法を確立することを目的に研究を遂行する中で、難削材の基本特性を明らかにしたこと、また、切削した部品の加工精度を測定し、これについて検討したこと、多軸制御工作機械によって小型UAVエンジン部品の加工精度の向上を図るためには、切削条件に加えて、形状精度の劣化に大きな影響を与える誤差の補正を行い、切削加工に反映させることが効果的であることを明らかにし、小型エンジンの高精度部材の加工に展開できることを示した。さらに、得られた結果に基づいて、工具の小型化、最適形状について検討した。今後、さらなる加工実験を行い、切削加工の加工条件等の最適化を図り、高精度切削加工を確立し、高精度部材の製作を行う。 このように、平成26年度に計画していた内容を大筋予定通りに実施できたので、「おおむね順調に進展している」と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27、28年度は、難削材の高精度切削加工を確立するとともに、次の通り、計画書に従い研究を実施していく予定である。 平成27年度は、以下について検討を進める予定である。 UAVエンジン部品の高精度切削加工による製作法を確立するとともに、開発したエンジン部品を実際の小型エンジンに組み込み、推力測定などの性能試験を実施し、高精度部材による小型エンジンをUAVに搭載して、飛行試験を行うことを主な研究実施内容とする。これまでに開発してきたエンジン推力測定法により、エンジンの推力を測定し、燃費、空燃比、燃焼器内部圧を総合的に測定し、エンジンの性能を総合的に評価する。さらに、測定した推力をこれまでに行ってきた電動UAVの推力と比較することで、UAVの航続距離を推算する。最後に、現在、UAVの飛行に関わる制御技術のノウハウを取得中であることを踏まえて、上記の通り製作した高精度部材による小型エンジンをUAVに搭載して、過去に中型UAV飛行実験の実績がある試験場において飛行試験を行う。 平成28年度は、以下について検討を進める予定である。 佐渡市にGPS基地局を設置し、地上からの無線を利用して環境観測用ターボジェットUAVを飛行させることを想定して、風況データの取得と地域自治体との交渉、ならびに飛行空域の検討を通してのシステム設計を行うことを主な研究実施内容として研究を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた最大の理由は、1)物品購入においては、既存のものを最大限利用し、必要最小限のものの購入に留めたこと、2)調査研究および打合せ旅費においては、必要最小限のものに留めたこと、によるものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、UAVに関しての総合的な知見が必要となることより、主にそのための調査研究および打ち合わせ旅費に使用し、効果的な研究の進展に努める予定である。
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