2014 Fiscal Year Research-status Report
視線移動と焦点調節の協働によるバイオミメティックビジョンの研究
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26420214
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
石井 明 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 客員研究員 (90278490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下ノ村 和弘 立命館大学, 理工学部, 准教授 (80397679)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 目視検査 / 視線移動 / サッカード / 焦点調節 / 飛行ロボット / ハンドリング / クアッドロータ / 視線安定化制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
視線移動と焦点調節の協働機構により高い認知能力を発揮するロボット視覚システムの実現を狙いとして、目視検査の自動化を想定した視線移動・焦点調節協働視覚系構成法および飛行ロボットの遠隔制御空中作業の容易化、安定化を想定した視覚系(カメラ)と操作系(ロボットハンド)の協調制御法について検討し、それぞれ下記の成果を得た。 1.視線移動・焦点調節協働機構に基づく視覚システム構成法の研究 人の柔軟な認知機能を学ぶため製造会社4社の協力を得て、それぞれ種々の表面性状と形状をもつボタン電池加工品、樹脂製品補強金属部品、光沢性立体部品およびNC加工品の目視検査作業を観察し、サッカード視線走査とハンドリング動作のリズミカルな連携による低疲労で効率的な、欠陥の見落としの極めて少ない高水準の検査状況を確認することができた。上記知見に基づき、眼球のサッカード運動を模擬する視線移動機構としてガルバノミラーを導入し、先行研究で達成した固定倍率高速焦点調節機構と協働させることにより、目視検査に代わる高速高機能自動検査を目標とした検査実験装置を製作し、次年度の本格的動作検証実験に備えた。 2.飛行ロボット視覚系の研究 飛行ロボットは4つの回転翼を持つクアッドロータである。搭載ハンドによる空中遠隔作業を安定かつ容易に行うために一つの1軸スライダ上にハンドとカメラを並べ、先行研究で獲得したカメラ映像中の注視点位置を固定化する視線安定化制御技術を適用し、操作対象部位を注視点に設定してハンドを操作対象部位に安定位置決めし、ハンドによる対象操作を容易に安定制御できるようにした。カメラとハンドを上向きに搭載した飛行ロボットは遠隔制御の下で作業場床面から上昇し、天井付近に位置する水平棒を把持、解放する動作を容易に安定的に実行することができた。ハンドは3Dプリンタで製作し、画像処理はFPGA回路で実行して機体の軽量化を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
視線移動・焦点調節協働機構に基づく視覚システム構成法の研究において、検査実験装置の製作に先立ち行った目視検査の技能調査と調査結果の視覚生理・心理学的裏付け調査に想定外の多くの時間を要したため、検査実験装置の製作開始が遅れ、計画通り当該年度内に動作検証実験を開始できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
視線移動・焦点調節協働機構に基づく自動検査実験装置の製作に目途がついたので、今後は検査実験ソフトウエアの整備を急ぎ、次年度の自動検査検証実験を促進して所期の年度目標の達成に努める。
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Causes of Carryover |
視線移動・焦点調節協働機構に基づく視覚システム構成法の研究において、検査実験装置の動作検証実験が遅れ、実験条件調整用品の予算執行が遅れたため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
光源等の実験条件調整用部品購入費として翌年度助成金と併用し実験の円滑な推進と翌年度の目標達成を図る。
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Research Products
(6 results)