2014 Fiscal Year Research-status Report
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26420496
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
佐藤 嘉展 愛媛大学, 農学部, 准教授 (90414036)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 温暖化影響評価 / タイムラプスカメラ / UAV / 雨雪判別 / 積雪・融雪モデル / 降雨流出解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
降雪・積雪・融雪量の観測地点選定のため、石川県の手取川水系内の、気象庁AMeDAS(地域気象観測所:白山吉野・白峰)および国交省市ノ瀬・甚之野助雨量観測所の視察を実施し、降水量計の型式や風除け等の有無等を確認した。地元研究機関としては石川県立大学、石川県林業試験場、白峰小学校に情報提供と研究への協力(観測機器等の設置許可)を依頼し、長期連続モニタリング用の定点観測(タイムラプス・インターバル)カメラおよび気象観測センサー(温湿度計)を標高別に流域内に5地点(白山室堂・白山南竜・白峰小、石川県林業試験場、石川県立大)に設置した。過去の気象データ(1976~2010年)を入力として陸面過程モデル(SVATモデル)を稼働し、分布型流出モデルの入力データセット(1時間-1kmメッシュ単位の地上到達降雨量・融雪量・ポテンシャル蒸発量)の作成を行い、流出解析シミュレーションを実施し、手取川流域の河川流量を推定し、国交省の水文・水質データベースやダム諸量データベースで公開されている観測値に対する再現性を検証した。比較対象として内陸部に位置する多雪山地流域(チェコ北部)を選出し、その(ジゼラ山地)流域において長期水文気象観測データを有するチェコ工科大学に研究協力と観測データの提供を依頼し、現地に温湿度センサー2台(上流域・下流域に各一台)の設置を依頼した。さらに、上空からの積雪域や積雪深の分布を把握するため、ハイビジョンカメラを搭載したUAV(小型無人航空機)による空撮を実施し、3次元画像処理ソフトウェア(Pix4D,PhotoScan)による画像解析を開始した。現地調査および研究協力者との打ち合わせは、石川で4回、京都で2回、チェコで1回実施した。次年度は、観測項目の追加、観測手法の改良を行い、現況の実態把握と降雪(雨雪判別)・積雪・融雪モデルの精度向上を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書作成時に計画していた以下の内容まで順調に実施できている。 ・既存気象水文観測地点の視察(観測状況の実態把握) ・長期モニタリング試験観測地点の選定 ・研究協力・データ提供依頼 ・観測機器の設置 ・モニタリングの開始
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Strategy for Future Research Activity |
多雪山地流域における冬季降雪量の実態を正確に把握するため、定点での長期モニタリング(タイムラプスカメラ・温湿度センサー)による積雪深・積雪期間のモニタリングにより、特定の地点(標高別5地点)における雨雪判別・積雪・融雪モデルの精度検証を実施する。 UAV(小型無人航空機)による空撮画像解析については、森林の植生分布や積雪域の空間(2次元)分布だけでなく、樹冠構造や積雪深など3次元情報がどの程度の精度で抽出できるかについて検証を行い、精度向上のための他の観測手法とのクロスチェックや撮影方法の改良などを試みる。さらに陸面過程モデル(SVATモデル)による積雪深(降雪量‐融雪量)の再現性を向上させるため、モデルの改良を実施し、その精度(妥当性)検証と、分布型流出解析モデル(Hydro-BEAM)による計算流量の再現性向上を試みる。
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Causes of Carryover |
出張経費(旅費)が当初概算で見積もっていた金額よりも安く済み、また、初年度のため消耗品等の購入が当初予定していたよりも少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費については本年度すぐに使用する(学会発表)。 その他消耗品等についても小型温度計センサーや電池等の寿命交換のため、本年度前半には使用する。
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Research Products
(2 results)