2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study of maturity and creative restructuring of vacant land for reverse sprawling in provincial city
Project/Area Number |
26420604
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
原田 陽子 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (00377475)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リバース・スプロール / 低未利用地 / 地方都市 / 成熟化 / 創造的再編 |
Outline of Annual Research Achievements |
都市郊外に無秩序に開発されるスプロール現象を抑制し、既に開発された郊外部での自律的住環境形成と中心市街地の中心性を高める動きを、本研究では「リバース・スプロール」と定義し、福井市とその隣接市町村を主な調査対象地として、以下の3点を明らかにすることを目的とする。①福井市周辺でこれまでに開発された大型商業・公共施設、住宅地の概況把握と荒廃地区の抽出、②荒廃の兆しが見える地区での土地利用や人口構成などの変遷、地権者や自治体の意向把握、③地方都市の「リバース・スプロール」に向けた低未利用地の成熟化と創造的再編について考察 本研究では、福井市とその隣接市町村を主な調査対象地として調査を行い、調査の結果、主に以下の3点が明らかになった。①福井市周辺の大規模商業施設周辺では低未利用地が増加しているが、周辺住民は地区別の違いもなく、大型商業施設の存在や住環境に満足している。②福井市内の鉄道駅周辺では低未利用地の増加と宅地化が同時進行しているが、鉄道駅周辺居住者の日常的な交通手段は自家用車となっている。③市街化区域のフリンジ部分では、自宅と離れた空き地を菜園化する事例が多く、雑草の管理をする代わりに無料で借りている例も複数見られる。 以上、本研究結果より、以下の3点が重要であることが明らかになった。①低未利用地を「都市の成熟化」に向けた資源として創造的に活用し、人口減少時代を「住環境や生活の質の向上」を実現できる好機と捉えること。②菜園化や複数区画利用、使用権交換など「低未利用地の暫定利用」に着目し、「地域コミュニティの自律的管理運用」による低未利用地の活用の可能性を探ること。③地方都市を対象に地区特性に応じた低未利用地の公共的な活用可能性と、将来の都市全体としての空間像や骨格的戦略と結びつけながら、点在する低未利用地の連携によるエリアマネジメントのしくみを実践的に探ること。
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