2015 Fiscal Year Research-status Report
アジア大都市の歴史文化による都市再生―社会経済組織と文化遺産の保全に着目して―
Project/Area Number |
26420613
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
鈴木 伸治 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (80272368)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏原 沙織 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 客員研究員 (00636384)
窪田 亜矢 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30323520)
楊 惠亘 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 客員研究員 (80727983)
藤岡 麻理子 横浜市立大学, グローバル都市協力研究センター, 特任助教 (40724539)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 社会経済組織 / 文化遺産 / 都市保全 / 歴史的市街地 / ジョージタウン / ハノイ36通り地区 / 伝統産業 / 社会変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アジア大都市における歴史と文化を活かしたまちづくりについて、その界隈を特徴づける職業従事者や住民組織などの「社会経済組織(social tissue)」に着目し、これらの活動と都市再生を結びつける仕組みを検討することを目的としている。 平成27年度は、ベトナム・ハノイ36通り地区とマレーシア・ジョージタウンを対象とし、両都市においてアンケート調査とヒアリングを実施した。ハノイに関しては、特にHang Buom、Hang Daoの2本の通りを対象として調査を行い、地域や通りを特徴づける商業活動の現状と変遷、路上活動の状況、通りに面する建物の外観等を把握した。ヒアリングは、地域住民、コミュニティリーダー、ハノイ旧市街管理委員会、ベトナム建築家協会、民間の建築家といった多様な主体に対して行い、アンケート調査は通りに面する店舗を中心に行った。調査においては、ハノイ建設大学の研究協力者と学生の協力を得た。調長結果の一部は日本建築学会学術講演会で発表予定。(平成27年8月、9月) ジョージタウンについては、観光地化著しいアルメニア通りとアチェ通りを対象にアンケート調査を実施した。ジョージタウンでは、都市の文化的多様性を体現していた住民の流出がひとつの課題となっていることから、商業活動の現状・変遷のほか、不動産所有の状況把握も重点的に試みた。ヒアリングは、政府機関、NGO、助成機関、民間の建築家とプランナー、住民といった異なる性質の組織・個人を対象に行い、1980年代後半以来のジョージタウンの都市の変遷や今日的課題等について、多角的な情報を得た。調査においては、マレーシア科学大学の研究協力者と学生の協力を得た。(平成28年3月) 8月には、研究協力者を招聘して研究集会を開き、アジア諸都市の抱える都市保全に関する課題を議論するとともに、今後の研究計画に関する打合せを実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度始めに予定した通り、ハノイとジョージタウンの二都市の調査を実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度の平成28年度は、タイのバンコク・ターティアン地区の調査を行い、3年間の研究総括へと進めていく。また、これまでの現地調査に基づく論文の執筆、投稿も精力的に行い、そうした成果公開を通して研究協力者との継続的な共同研究、地域への還元を図っていく。
|
Causes of Carryover |
現地調査を、初年度に二都市、2年目に二都市という当初予定から、初年度一都市、2年目に二都市、最終年度に一都市へと変更したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画変更については初年度のうちに研究分担者・研究協力者間で合意しており、研究の全体計画は問題なく進行できるものと考えている。
|
Research Products
(5 results)