2016 Fiscal Year Research-status Report
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26420636
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
小林 勉 石川工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10646938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 伸也 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50180641)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 町家 / せがい造り / 登り梁構法 / 伝統構法 / 岩瀬浜 / 平入り |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、富山県富山市岩瀬浜の町家群を調査対象とした日本海・神通川と面した地域である。江戸初期に廻船が栄え「北前船廻船問屋」やその乗組員や番頭などのすまいが並んでいた地域である。この岩瀬浜地区大町新川町通りに立ち並ぶ33軒について調査した。 屋根形状・構法・デイテールなどを調査・分析した。屋根形状では「平入り」が31軒、「二階平入母屋」が2軒で切り妻などは見受けられなかった。構法では、「登り梁構法」が16件と約50%を占めていた。他、「柱だし構法」が2軒・「梁出し構法」が5件他は「たる木構法」であった。軒先まわりデイテールについては、調査可能な24軒について実測を行った。今回の調査・ヒアリングで2006年から建築物の街並み改修が行われたことが分かったが、この改修は大きく5つの分類で行われたことが判明しこの分類に基づいて分析を行った。1当時もままの状態・2一部を除いて復元された状態・3追加改修が行われた状態・4外部・内部空間とも改修された状態・5ファサードは町家風であるが町家ではない状態などに分かれていた。そこで腕木間隔・軒先寸法・腕木出幅などをそれぞれの保存状態との関係で分析した。あわせて内部実測調査も3軒行った。このデイテールと内部分析はまだ不十分であり次報の論文に詳細を乗せたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
岩瀬浜の町家は、外観保存をするべく、当時のままのファサードをモチーフに改修がなされていた。そのため、本来の外観が伝統的にいつから現存していたのか、いつどのように改修されたのかの分析に時間を要している。もう少しヒアリング調査を詳細に行う必要がありやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、岩瀬浜の再調査・継続分析を行い、廻船で栄えた港町である氷見周辺・高岡金屋町を追加調査したい。これにより、石川県の内陸の寺町・鶴来、海に面している金石・黒鳥、富山県の岩瀬浜と氷見や高岡と調査が一応完結される。また、同時に本年度は新潟県や佐渡での調査確認も合わせて行いたい。以上が今後の方針である。
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Causes of Carryover |
調査地の富山県富山市岩瀬浜の外観調査は一定の成果を得ることができたが、内部実測調査が十分に行えなかったことなどが、結果的に旅費・物品費・謝金の金額と差異がでたのではないかと考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、岩瀬浜の追調査ならびに高岡市金屋町の追調査、あわせて、新潟県内・佐渡の再確認を行うべく研究室補助学生などの体制強化を再度はかり、研究成果を出すべく努める。そのために使用したい。
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