2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a highly efficiency thermoelectric nanocomposite including one, two layers graphene sheets in a ceramic
Project/Area Number |
26420672
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
干川 康人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90527839)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 複合材料・物性 / ナノ材料 / セラミックス / 電子・電気材料 / 構造・機能材料 / 炭素材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、グラフェン数層分のナノ炭素膜を被覆した無機ナノ粒子を用いた機能性バルク材料の創製を行った。本年度における研究成果を以下に説明する。 粒子径30, 300 nmのアルミナナノ粒子を50 MPaで加圧成形し、1000 ℃の熱処理を行うことで部分的に焼結し、直径10 mm、厚さ0.5 mmのアルミナモノリスを得た。続いてアセトニトリルを原料とする800 ℃のCVDを行うことでアルミナモノリス表面にグラフェン膜を被覆した。その後水酸化ナトリウム溶液中、250 ℃のオートクレーブ処理によりアルミナを溶解させ、連結した貫通孔を持つナノポーラスカーボンモノリスを得た。メインのナノ細孔はアルミナナノ粒子の粒子径とほぼ一致し、BET比表面積は粒子径30, 300 nmでそれぞれ390, 140 m2/g、導電率はそれぞれ6200, 3000 S/m、空隙率はおよそ90 %であった。従って得られたモノリス電極は高比表面積、大きな細孔空間を持ち、かつ導電材料として用いることができる高い導電率を有していることが分かる。 このモノリス電極に酸素還元能を持つラッカーゼを含む溶液中に浸漬することで固定化し、酵素電極を作製した。酸素飽和水溶液中(pH5.0)で0~0.8 Vの範囲でサイクリックボルタッメトリー測定を行うと、0.6 V付近から還元電流が確認され、その最大電流密度は0 Vにおいて-2.1 mA/cm2に達した。 以上より、アルミナナノ粒子のナノ構造を活かすことでバイオ燃料電池の電極応用に優れたナノポーラスカーボンモノリスの開発に成功した。本手法では鋳型となるナノ粒子のサイズを選択すれば細孔構造を比較的自由に調製可能であり、多孔質電極として幅広い応用が期待できる。
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Remarks |
(1)研究者の所属する研究機関・研究室のWebサイト。
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