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2014 Fiscal Year Research-status Report

核融合炉用トリチウム燃料供給源としての高温ガス炉の研究

Research Project

Project/Area Number 26420860
Research InstitutionJapan Atomic Energy Agency

Principal Investigator

後藤 実  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力水素・熱利用研究センター, 研究副主幹 (60414546)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords高温ガス炉 / 核融合炉 / トリチウム製造 / リチウム / 核特性解析コード / 燃焼計算 / 成立性評価
Outline of Annual Research Achievements

高温ガス炉を用いた6Li(n,a)T反応(Li-6が中性子を吸収してトリチウム(T)が生成する反応)による核融合炉用トリチウム燃料の製造方法について、効率的な検討を可能にするため、国内で広く用いられている決定論的手法に基づくSRAC2006とモンテカルロ法に基づくMVP-BURNの2つの核特性解析コードの改造を行った。本改造では、新しい燃焼チェーンデータを作成することで、6Li(n,a)T反応を考慮した燃焼計算ができるようにした。新たに作成した燃焼チェーンデータを用いて、リチウムを装荷した仮想的な体系の燃焼計算をSRAC2006とMVP-BURNにより実施し、物理的に妥当な計算結果が得られることを確認した。これらのコード改造作業と動作確認計算により、従来、手作業を必要とした6Li(n,a)T反応に係る計算を核特性解析コードで直接行えるようになり、計算に要する時間が大幅に短縮され、研究をより効率的に行うことが可能となった。
原子炉の設計においては、核的な成立条件として燃焼期間にわたる負の反応度温度係数の確保、および炉停止余裕の確保が要求されるが、リチウムを装荷した高温ガス炉(Li装荷高温ガス炉)については、これらの評価はこれまでに行われておらず、核的な成立性が不明であった。そこで、リチウムの炉心装荷条件を暫定的に設定し、作成した燃焼チェーンデータを用いてLi装荷高温ガス炉の炉心燃焼計算を行い、核的に成立することを示した。また、高温ガス炉の設計においては、熱的な成立条件として燃焼期間にわたり燃料温度を制限値以下に保つことが要求される。そこで、炉心燃焼計算で得られた出力分布の計算結果を用いて燃料温度計算を行い、熱的にも成立することを示した。これらにより、リチウムの装荷条件は暫定的ではあるが、Li装荷高温ガス炉が核的及び熱的に成立することを示すことができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

平成26年度の目的は、Li装荷高温ガス炉の核特性解析において、6Li(n,a)T反応を核特性解析コードで直接計算できるようにコードを整備することである。国内で広く用いられているSRAC2006とMVP-BURNの2つの核特性解析コードを、6Li(n,a)T反応を直接計算できるように整備して、当初の目的を達成した。
Li装荷高温ガス炉の全炉心燃焼計算及び燃料温度計算を行い、平成28年度の目的である核的成立性および熱的成立性の評価を、リチウムの装荷条件は暫定的ではあるが実施したことで、当初の計画以上に研究を進展させることができた。

Strategy for Future Research Activity

平成27年度は、平成26年度に整備した核特性解析コードを用いてセル燃焼計算を行い、リチウムの装荷方法の違いが高温ガス炉の核特性値に及ぼす影響を評価するとともに、その機構を4因子公式を用いるなどして究明し、トリチウムの製造量や原子炉の運転日数などの観点から最適なLi装荷方法を検討する。平成28年度は、平成27年度の検討結果を反映したLi装荷高温ガス炉の全炉心計算を行い、核的成立性、熱的成立性、及び安全性について評価を行う。
研究の推進にあたっては、研究連携者との議論を密に行うとともに、国内外の専門家の意見や最新の知見を取り入れて行う。

Causes of Carryover

研究をより効率的に進めるために、計算コードの改造等を次年度に行いたい。それに必要な費用を確保するために、予定していた国際学術会議1回と国内学術会議1回の出席をとりやめ、当該会議に出席する連携協力者などから会議の情報を入手することにした。

Expenditure Plan for Carryover Budget

研究を円滑に遂行するために、研究連携者と研究打合せを行うために使用する。専門家との議論や研究に関する最新の知見を入手することは、研究を進める上で重要であることから、国内外の学術会議への参加費用に使用する。また、研究をより効率的に進めるために、解析コードの改造等に使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2015

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 核融合炉用トリチウムを製造するLi装荷高温ガス炉の核特性評価2015

    • Author(s)
      後藤実、奥村啓介、中川繁昭、松浦秀明、中屋裕行、片山一成
    • Organizer
      日本原子力学会2015年春の年会
    • Place of Presentation
      茨城大学日立キャンパス(茨城県日立市)
    • Year and Date
      2015-03-20

URL: 

Published: 2016-05-27  

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