2015 Fiscal Year Research-status Report
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26420866
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
宇埜 正美 福井大学, 附属国際原子力工学研究所, 教授 (00232885)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 窒化珪素 / 事故耐性燃料 / 燃料被覆管化学的相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
SiC/SiC複合材の軽水炉燃料被覆管への適応性評価のために、SiC/SiC複合材の主成分であるSiCとマトリックス部分に含まれるAl2O3の熱処理による反応試験を行った。その結果、大気雰囲気下での反応試験では、温度、 Al2O3の有無に関わらず以下の反応が起こったがSiCペレットに保護酸化膜が生成されたため大きな重量の増加は観察されなかった。 SiC+2O2 → SiO2+CO2 (1-1) 真空雰囲気下で反応試験ではSiCとAl2O3の1300℃ 25h 真空雰囲気を除いて以下の反応が起こり重量の減少が観察された。 SiC+O2 → SiO+CO (1-2) 1300℃、真空中の実験では真空雰囲気下での反応試験であったのにもかかわらずSiO2が生成した。この反応機構については今後の検討を要する。また、SiCとAl2O3の1500℃、5h、真空雰囲気の反応ではAl2O3ペレットの重量も減少した。これは、Al2O3とSiCが反応を起こしたのか、Al2O3単独で反応を起こしたのかが不明なため、今後1500℃、5h、真空雰囲気下でのAl2O3単独の熱処理実験を実施し確かめる必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SiCを軽水炉燃料被覆管として使用した場合のPCI挙動評価として、初年度は燃料およびFP元素とSiCとの化学反応について、熱力学考察および実験により、相互作用は殆ど起こらないことが確認され、既往研究により機械的強度も十分であることを確認している。一方で、平成27年度は、被覆管内部のような低酸素分圧下では、高温でSiOや焼結助剤の反応によるAl2Oの生成(いすれも気化)により、材料が消失することを確認した。昨年度はこのような材料が著しく損傷する条件を実験により詳細に調べた。次年度は、この条件と熱力学センータの整合性とその際の材料の損傷度を評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
上記、SiOおよびAl2Oの生成条件を実験および熱力学的に考察し、その際の機械的損傷程度を評価するとともに、SiCや燃料およびFP元素とで同様の反応が進まないかの確認を行う。
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Causes of Carryover |
SiC/SiCの化学的腐食挙動はほぼ明らかになって来たが、腐食した材料の機械的強度測定はまだ系統的に行っていない、最終年度は、腐食させた材料の機械的試験を行う。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
福井大学文京キャンパスにある機械強度試験機を利用するため、治具の購入および敦賀キャンパスと文京キャンパス間の旅費として使用する。
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