2016 Fiscal Year Annual Research Report
Principles of high-speed methane production by thermophilic fermenter-methanogen syntrophy
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26420881
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
桑原 朋彦 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (80153435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 健輔 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生物プロセス研究部門, 研究員 (90759945) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発酵細菌-メタン菌栄養共生 / 固相培養 / メタン生産 / 硫化水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
点火可能な気相の生産という条件を課し,最も効率的な培養液体積および培養時間を決定した。その結果,28 mlの培養液を用いて24 h培養するのが最適であった。 好気下軽石持込培養を可能にする,それぞれの菌の性質を明らかにした。Thermosipho globiformansは増殖初期に,全体の約20%程度がスフェロイド(球状細胞)に変形した。スフェロイドは酸素耐性があり,微好気環境でも増殖を開始できた。この性質が好気下軽石持込培養を可能にする可能性が示唆された。Methanocaldococcus jannaschii は単独培養ではグレイガイト([4Fe-4S]クラスター様構造をもつ硫化鉄鉱物)の添加により,メタン生産が10倍化した。好気下軽石持込培養では,軽石中の微量の酸化鉄がグレイガイトを形成する可能性はあるものの,グレイガイト添加による顕著な促進効果は認められなかった。発酵細菌による水素供給に限りがあるためと思われる。 本研究では,硫化水素を含まず,点火可能なメタン標品を毎日生産するシステムの確立を通して,発酵細菌-メタン菌栄養共生系によるメタン生産の基本原理を明らかにすることを目的とした。好熱性発酵細菌T. globiformansとメタン菌M. jannaschiiとの栄養共生系に,好気下軽石持込培養を適用し,気相の二酸化炭素を除去するために水酸化ナトリウムを配置して,以下の基本原理を明らかにした。1.軽石の使用により絶対嫌気性菌の培養が好気気相下で可能となる。2.1により,硫化水素は気相中の酸素によって自然に除去される。3.二酸化炭素はメタン生産の基質であるが,気相からは除去することが望ましい。本研究により開発されたメタン生産系は操作が簡単で硫化水素を発生せず安全なことから,災害時などに必要とされる,地域における緊急なメタン生産に役立つと期待される。
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Research Products
(6 results)