2016 Fiscal Year Annual Research Report
Stiff Substrates Enhances ATF5-Signaling-Mediated Invasive Ability in Cancer Cells
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26430104
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
芳賀 永 北海道大学, 先端生命科学研究院, 教授 (00292045)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | がん細胞 / 浸潤 / メカノセンス / 炎症性反応 / 転写調節因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,がん細胞を取り囲む基質の硬化とがん細胞の浸潤能亢進との関係を明らかにし,がん細胞が悪性化する機序の解明を目指す.研究代表者はこれまでに,培養基質が硬くなると,炎症に関わる転写因子NF-κBの活性が上昇することを発見した.様々ながん細胞を硬い基質と軟らかい基質で培養し,NF-κBのサブユニットであるp65の局在と活性を比較したところ,基質の硬さに依存して炎症性反応が亢進することを見出した.このことは,がん細胞が基質の硬さをストレスと感じ,炎症性の反応を示した結果といえる.そこで,本研究課題では,これらの結果をふまえて,基質の硬さが誘引する炎症性反応と浸潤能が上昇する機序の解明を目指す. 平成28年度では,交付申請書の研究計画に従って,基質の硬化に起因する炎症反応と転写調節因子ATF5の活性化によって,浸潤に関与するタンパク質であるインテグリンやミオシンの発現が上昇するかどうかを前年度に引き続き観察した.その結果,様々ながん種細胞でATF5がインテグリンβ1の発現を亢進し,浸潤能を高めることが明らかとなった.さらに,中間径フィラメント,アクチン結合タンパク質であるフィラミン,および細胞外基質分解酵素であるMMPの発現とATF5との関係を調べた.その結果,ATF5との関係は明らかにはならなかったものの,中間径フィラメントであるケラチンのmRNAの発現が基質の硬さによって上昇するという新たな知見を得た.これらに加え,前年度の結果をふまえて,基質の硬さによってATF5が核内に移行する現象の解明を行った.ATF5の欠失変異体をがん細胞に発現させ,核内移行の機序を調べたところ,核外搬出シグナル(NES)が関与していることが明らかとなった.
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[Journal Article] Conformational Plasticity of JRAB/MICAL-L2 Provides 'Law and Order'2016
Author(s)
A. Sakane, S. Yoshizawa, M. Nishimura, Y. Tsuchiya, N. Matsushita, K. Miyake, K. Horikawa, I. Imoto, C. Mizuguchi, H. Saito, T. Ueno, S. Matsushita, H. Haga, S. Deguchi, K. Mizuguchi, H.
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Journal Title
Molecular Biology of the Cell
Volume: 27
Pages: 3095-3108
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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