2015 Fiscal Year Research-status Report
癌幹細胞の生物学的特性を加味した新しい大腸癌治療戦略の確立
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26430129
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
長山 聡 公益財団法人がん研究会, 大腸外科, 医長 (70362499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 量平 公益財団法人がん研究会, がん化学療法センター・基礎研究部, 研究員 (60435542)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究課題では、大腸癌切除検体から各患者固有の大腸癌幹細胞様細胞株を樹立し、以下のことを明らかにすることを目的とした。 (1) 大腸癌幹細胞様細胞株の樹立とそのプロファイリング 遺伝的背景や変異などが症例ごとに異なる大腸癌組織からの細胞様細胞株の樹立には、それぞれの特性に応じた細胞単離法と培養法が必要となるかもしれないため、効率の良い樹立法を検討する。樹立された大腸癌幹細胞様細胞株が、どの程度生体内での癌組織の生物学的特性を反映するかについては、これまで検証されていない。そこでそれぞれの大腸癌幹細胞様細胞株と由来する癌組織のプロファイリングを行なう。具体的には、大腸癌の発生・進展に深く関与していると考えられているWntシグナル伝達系遺伝子やKras遺伝子群などを含めた遺伝子変異解析や網羅的遺伝子発現解析により比較検討する。 (2) 大腸癌幹細胞様細胞株の生物学的特性を加味した大腸癌悪性度評価 上記(1)により得られた、大腸癌幹細胞様細胞株の生物学的特性と、由来となる各患者の臨床病理学的所見とを組み合わせて、大腸癌の悪性度(再発・転移のリスク)をより正確に評価できるかどうかを検討する。 【結果】数種類の培養法を検討した結果、効率の良い樹立法が確立でき、これまでに大腸癌切除検体から各患者固有の大腸癌幹細胞様細胞株(53株)(53/84 成功率63.1%)およびXenograft(NOGマウス)(19個)(19/33 成功率57.6%)を樹立することができた。さらに、APC, p53, PTEN, Kras, Braf, PIK3CAなどを含めたターゲットシークエンスを行い、各細胞株の遺伝子変異状況を明らかにした。また、これらの細胞株の各種抗腫瘍薬剤(EGFR阻害剤、VRGF阻害剤、FGFR阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、MEK阻害剤など)に対する薬剤感受性を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初の計画通りに進捗していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
樹立した細胞株の遺伝子変異状況と、これらの細胞株の各種抗腫瘍薬剤(EGFR阻害剤、VRGF阻害剤、FGFR阻害剤、mTOR阻害剤、PI3K阻害剤、MEK阻害剤など)に対する薬剤感受性とをもとにしたデータベースを構築する予定としている。
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Causes of Carryover |
研究は順調に進んでいるが、物品購入に当初の計画より若干遅れが出ている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでに、大腸癌から樹立した細胞株49株を対象に、KRAS、BRAF、PIK3CA、PTEN、APC、βcateninなどを含む約20個の遺伝子変異を次世代シークエンサーを用いて、ターゲットシークエンスを行なう。一方、これらの細胞株に対して、下記の標的遺伝子産物に対する各種阻害剤(EGFR、VEGF、ALK、FGFR、c-MET、mTOR、FLT3、PI3K、BRAF、MEK)を投与した際の感受性を評価する。これらの情報を統合して、遺伝子変異と阻害剤の感受性との相関を検討する。
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