2014 Fiscal Year Research-status Report
PP6 KOマウスにおける著しい腫瘍促進(ホスファターゼによるゲノム安定性制御)
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26430130
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Research Institution | Miyagi Prefectural Hospital Organization Miyagi Cancer Center |
Principal Investigator |
島 礼 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 部長 (10196462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 洋二 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (30420045)
佐藤 郁郎 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), ティッシュバンクセンター, センター長 (50225918)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プロテインホスファターゼ / 炎症 / DNA修復 / ゲノム不安定性 / ドライバー変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、プロテインホスファターゼ(PPase)の一つPP6が、細胞の染色体分離やDNA修復に関与することを見出した。「PP6が、がん抑制遺伝子として働く可能性」を想定してPP6のconditional KOマウスを作製し、皮膚発がん実験を行ったところ、PP6欠損では強い腫瘍促進状態にあることを明らかにした。一方、一昨年、全exonシークエンスの結果より、悪性黒色腫で、PP6の変異がドライバー変異の一つとして働く可能性が報告された。本課題では、動物実験と臨床サンプルを用いた検討で、PP6異常と発がんとの関係を明らかにする。また、腫瘍発生メカニズムの解明や、PP6欠損細胞の薬剤感受性の検討により、PP6を標的としたがん治療の可能性を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
島は、発がんプロモーターのオカダ酸がPP6の阻害剤であることから、PP6が、がん抑制遺伝子であるという仮説持っていた。その証明のため、Ppp6c 遺伝子改変マウスの作製をおこなっていた。まず、Ppp6cヌルマウスは胎生致死であった(未発表)。そこでconditional KOマウスによる発がん実験を行うことにした。K14のプロモーターでCREがドライブされるマウスと掛け合わせて、皮膚2段階発がん実験を行った。その結果、皮膚でPpp6cを欠損したマウスは、腫瘍の形成時期が大幅に早まること。さらには、DMBA処理のみで皮膚腫瘍が生じることを明らかにした。この結果はPP6機能不全が、腫瘍発生のプロモーション作用をもつことを意味した。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の、DMBA/TPA 2段階発がん実験ではPP6の機能不全が腫瘍のプロモーションの原因になることを明らかにした。しかし、その原因は、主にケラチノサイトにおけるNFkB経路の過剰な活性化による炎症反応の増強のためであった。一方、我々は、PP6の異常がDNA修復や染色体の安定性の異常の誘因となりと考えており、その方向で仕事を推進することを考えた。まずは、PP6の機能不全が(1)良性腫瘍だけでなく悪性腫瘍(扁平上皮癌など)の発生を促進させるか(2)ヒトの発がんの原因となる環境変異源にたいしては疑問に対する答えを出したいと考えた。現在、紫外線UVBによる皮膚発がん実験を企画した。 まず、皮膚特異的にPpp6c欠損したマウスを準備し、剃毛した皮膚に対して、週3回のUVB照射 (2kJ/m2)を、40週間連続して行い、発がんとの関連を検討している。
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Causes of Carryover |
効率良く実験が進み、消耗品が当初の予定より少なくてすんだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データの信頼性をより向上させるため、より新しいシステムで検討することにした。 このため、消耗品が当初の計画より多く必要になる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Abrogation of protein phosphatase 6 promotes skin carcinogenesis induced by DMBA.2015
Author(s)
Katsuhisa Hayashi, Yuki Momoi, Nobuhiro Tanuma, Ayako Kishimoto, (8), Kayoko Fukamachi, Yoichiro Kakugawa, Yoji Yamashita, Shigemi Ito, Ikuro Sato, Akira Suzuki, Miki Nishio, Masami Suganuma, Toshio Watanabe and Hiroshi Shima
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Journal Title
Oncogene
Volume: 34(35)
Pages: 4647-55
DOI
Peer Reviewed
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