2016 Fiscal Year Research-status Report
がんの不均一性・変動性制御にむけた抗がん剤オーダーメード投薬アプローチ
Project/Area Number |
26430140
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
南雲 陽子 筑波大学, 生命環境系, 助教 (70373339)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 薬剤感受性変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんは、発生要因が多様で不均一、かつ形質変動も伴うため、化学療法で一度退縮が見られても薬剤耐性化により再発・進行してしまう場合がある。そこで本研究では不均一性が特に高い卵巣がんを対象に、種々の抗がん剤が、個々のがん細胞に与える変動を解析することで、感受性を維持し悪性度の低い状態に長く留めるためのオーダーメード投薬法を導き出すストラテジーの開発を目的とする。 まず、複数のヒト卵巣がん培養細胞と、複数の抗腫瘍活性のある薬剤の組み合わせで、薬剤を継続処理することで、薬剤耐性細胞を得る試みを続けていた。育休取得による一時中断のため、それまでに得られていた耐性細胞を凍結により保存していた。細胞を融解し解析しなおしたところ、薬剤耐性が失われたものが複数あった。そこでまずは薬剤耐性を残していた細胞に限定して解析を行うこととした。耐性を保持していたもののうち、ある薬剤に耐性となった細胞で、他の薬剤に対しより感受性を示したものがあったため、細胞内の変動を見出すべく解析を行っている。また、薬剤耐性が不安定な細胞や、薬剤耐性が失われた細胞に関して、再度薬剤耐性を取り直す検討も行っている。さらに、より効率的に薬剤感受性を保持させるべく、がん化に関わる因子を変動させうる薬剤の検討を行った。その結果、卵巣がんのがん化に関わる因子を減少させる薬剤が見出された。今後はそれら薬剤の影響や併用も合わせて解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
産休・育休時に一旦凍結した薬剤耐性細胞群を融解し利用しようとしたが、耐性が失われてしまったものが複数あった。そのため細胞種を限定したり、再度耐性獲得を試みることで対応している。一方でがん化に関わる因子を減少させる薬剤が見出されるなど、新たな知見も得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
ある薬剤に耐性となった細胞で、他の薬剤に対しより感受性を示したものについて、薬剤の標的となるタンパク質の発現や関係するシグナル伝達について解析することで、薬剤感受性変動の要因を明らかにしていく予定である。また、薬剤耐性が不安定な細胞や、薬剤耐性が失われた細胞に関して、再度薬剤耐性が取れ次第同様の検討を進める。 がん化に関わる因子を減少させうる薬剤については、タンパク質発現やシグナル伝達、細胞増殖に与える影響を検討し、薬剤感受性に与える影響を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
産休・育休取得により研究を一時中断したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を中断した分期間を延長するが、使用計画に変更がないため、当初の計画通りに経費使用を行っていく予定である。
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[Journal Article] Eudistomin C, an antitumor and antiviral natural product, targets 40S ribosome and inhibits protein translation2016
Author(s)
Ota Y, Chinen T, Yoshida K, Kudo S, Nagumo Y, Shiwa Y, Yamada R, Umihara H, Iwasaki K, Masumoto H, Yokoshima S, Yoshikawa H, Fukuyama T, Kobayashi J, and Usui T.
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Journal Title
ChemBioChem.
Volume: 17
Pages: 1616-1620
DOI
Peer Reviewed
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