2015 Fiscal Year Research-status Report
父性発現インプリンティング遺伝子Peg10の機能解明
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26430183
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
小野 竜一 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 主任研究官 (10401358)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 胎盤 / レトロトランスポゾン |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、新規父性発現インプリンティング遺伝子 Peg10 (Paternally Expressed Gene 10) が哺乳類で高度に保存されているレトロトランスポゾン由来の遺伝子であり、哺乳類に特異的臓器である胎盤の形成に必須な機能を持っていることを明らかにした(Fig.1;Nature Genetics 38(1):101-6 2006)。これは、レトロトランスポゾンが哺乳類の進化の過程で、哺乳類の胎盤形成に必須な機能を獲得しことを実証した初めての報告である。本研究では、レトロトランスポゾンであった Peg10 がどのようなメカニズムで哺乳類の生存に必須な機能をしているのか、胎盤以外の臓器における Peg10 の機能を解明することを目的としている。本研究成果により、レトロトランスポゾンが哺乳類の進化にいかに貢献してきたかを明らかにできる。 より詳細な Peg10 の機能を明らかにするために、マウス受精卵においてCRISPR/Cas9 システムを用いて変異マウスを作製した際に、DNA 二重鎖切断部位にレトロトランスポゾンが挿入される個体がいることを発見した。挿入されていたのは、レトロトランスポゾンの他に内在性遺伝子の逆転写産物もあったことから、マウス受精卵において、活発に遺伝子発現されるレトロトランスポゾンの逆転写活性が、DNA二重鎖切断修復に関与するという新たな機能の発見に至った。今後は、レトロトランスポゾンの挿入を伴うDNA二重鎖切断修復のメカニズムを明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析に用いる遺伝子組み換えマウスの作製が終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究より新たな発見が見つかったので、解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
次世代シーケンサーなどの大量のデータ解析は、非常に時間のかかる作業であるため、その間、物品費などが減ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き、次世代シーケンサー関連の物品を購入し、解析を行う。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Cognitive Function Related to the Sirh11/Zcchc16 Gene Acquired from an LTR Retrotransposon in Eutherians.2015
Author(s)
Irie M., Yoshikawa M., Ono R., Iwafune H., Furuse T., Yamada I., Wakana S., Yamashita Y., Abe T., *Ishino F., Kaneko-Ishino T.
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Journal Title
PLoS Genetics
Volume: 11
Pages: 1005521
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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