2015 Fiscal Year Research-status Report
小胞体タンパク質品質管理における膜近傍の還元的なレドックスの生理的意義
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26440050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寳関 淳 京都大学, 農学研究科, 特任准教授 (40423058)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | レドックス / 小胞体 |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体は分泌タンパク質及び膜タンパク質の成熟の場であり、これら小胞体で成熟されるタンパク質は、細胞内で合成されるタンパク質の3割をも占める。そのため、小胞体は厳格なタンパク質品質管理機構を有している。その破綻は神経変性疾患等の病因となる。また、小胞体でフォールディングされるタンパク質の多くは、構造形成や機能発現のためにジスルフィド結合の形成を必要とする。そのため、小胞体はジスルフィド形成に適した酸化的な環境にある。小胞体内のレドックス異常がタンパク品質管理に与える影響を明らかにする上で、小胞体のレドックス状態を可視化計測することが必要であるが、小胞体の酸化的なレドックス状態を計測可能なレドックスポテンシャルを有する roGFP-iL は、小胞体に発現させると安定性が不十分なため、小胞体のレドックス状態を可視化することが困難であった。そこで、本年度は roGFP-iL を安定化することで、GFP融合体の安定性を向上させる superfolder GFP 由来の4つの変異を roGFP-iL に導入し、小胞体においても安定に発現し、小胞体内のレドックス状態を可視化できる ERroGFP S4 を開発した。ERroGFP S4 を安定に発現する細胞株において、小胞体におけるミスフォールドタンパク質蓄積や小胞体ストレス惹起に伴うレドックス異常を検出することができた。ERroGFP S4の開発により、小胞体レドックスと小胞体タンパク質品質管理の連関を明らかにすることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね実施計画に沿って研究が進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ERdj5 が小胞体膜局在するメカニズムを解析し、その阻害がタンパク質品質管理に与える影響を解析する。
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Causes of Carryover |
消耗品の使用をできる限り節約した結果、当初予定より使用額が減少した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、MS解析など外部委託解析の費用がかさむと考えられるため、今年度予算における不足分を前年度繰り越し分を使用する。
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Research Products
(6 results)