2016 Fiscal Year Annual Research Report
Physiological role of reducing redox state near membrane in ER protein quality control
Project/Area Number |
26440050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寳関 淳 京都大学, 農学研究科, 特任准教授 (40423058)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | レドックス / 小胞体 / グルタチオン |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体は分泌タンパク質や膜タンパク質の成熟の場であり、これらのタンパク質の構造形成や機能発現に必要なジスルフィド結合形成に適した酸化的な環境にある。一方で、ミスフォールドタンパク質の分解においては、ジスルフィド還元酵素 ERdj5 が分解すべきミスフォールドタンパク質のジスルフィド結合を還元することでERADを促進することが明らかとなっている。しかし、ERdj5 がどのようにして還元力を得て、小胞体においてジスルフィド還元酵素として機能しているかは不明であった。最近、ERdj5 の還元力として還元型グルタチオンが必要なことがわかってきた。しかし、このグルタチオンの還元力を有効に利用する機構は不明であった。 平成28年度は、1) サイトゾルで合成される還元型グルタチオンが小胞体膜における膜タンパク質を介して小胞体内に取り込まれること、2) 小胞体ジスルフィド還元酵素 ERdj5 が局在する小胞体膜近傍が小胞体内腔と比べて還元的であること、3) 還元型グルタチオンが ERdj5 の活性に必要なシステイン残基の還元だけでなく、ERdj5によるミスフォールドタンパク質のERAD促進にも必要であることを明らかにした。したがって、サイトゾル由来の還元型グルタチオンは小胞体膜を介して小胞体に取り込まれることで小胞体膜近傍が還元的となり、その結果、小胞体膜近傍に局在する ERdj5 が還元され、分解すべきミスフォールドタンパク質が還元され、ERADが促進されることが明らかとなった。
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