2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of oncogenic signals regulated by novel type of Ras family protein
Project/Area Number |
26440062
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
多胡 憲治 自治医科大学, 医学部, 講師 (20306111)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | Rasファミリー / 発がんシグナル / がん抑制遺伝子 / SUMO化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新規RasファミリーNKiRasの生理的意義について明らかにすることを目的として行われてきた。昨年度まで本研究計画では、がん化型Ras変異体による細胞がん化におけるNKiRasの機能に焦点を当て、研究を行ってきた。RNA干渉法によるNKiRasのノックダウンはRas(G12V)による細胞形質転換を強く抑制することから、NKiRasが発がんシグナルに必須の役割を担うことが明らかになっていた。そこで、各種RasシグナルにおけるNKiRasの役割の解明を試みた。Ras(G12V)をマウスNIH3T3細胞に強制発現したところ、炎症シグナルに関わるST2/ST2L及びNF-HEV/IL33の発現が強く誘導されることが明らかになった。ST2/ST2Lの発現はMAPキナーゼ経路を介した転写因子STAT3及びElk1の活性化が必要であることが明らかになった。また、NF-HEV/IL33はRasシグナルによるCyclin D1のタンパク質合成に重要な役割を担うことにより、発がんシグナルに貢献することが明らかになった。一方で、NKiRasのノックダウンはこれらの遺伝子発現に影響を及ぼさなかったため、NKiRasは別経路に関与することによって、発がんシグナルを活性化していることが示唆された。本研究期間において、私たちは、NKiRasは、TRB3、DDB1、NONO、SFPQなどのシグナル分子と結合することを明らかにした。特にTRB3は新規のがん抑制遺伝子産物として機能することが明らかとなり、NKiRasのSUMO化を誘導することも見出した。まだ機能解析が十分でないDDB1、NONO、SFPQの役割については今後のさらなる研究により明らかにしていく必要がある。
|
Research Products
(13 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] ZNF70, a novel ILDR2-interacting protein, contributes to the regulation of HES1 gene expression2016
Author(s)
Watanabe K, Nakayama K, Ohta S, Tago K, Boonvisut S, Millings EJ, Fischer SG, LeDuc CA, Leibel RL, Iwamoto S
-
Journal Title
Biochem Biophys Res Commun
Volume: 477(4)
Pages: 712-716
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
-
[Presentation] K-Ras遺伝子の新しい突然変異は発がん活性を示す2016
Author(s)
Kenji Tago, Megumi Funakoshi-Tago, Satoshi Ohta, Jitsuhiro Matsugi, Ken Yanagisawa
Organizer
第39回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
パシフィコ横浜(神奈川県・横浜市)
Year and Date
2016-11-30 – 2016-12-02
-
-