2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26440144
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
庄司 翼 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (40343272)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アルカロイド / トマト / ジャスモン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
タバコのニコチン生合成系遺伝子を制御するマスター転写因子ERF189と相同な因子は広く双子葉植物に存在する。タバコと同じナス科に属するトマトにも相同遺伝子JREが7つ存在し、そのうち6遺伝子JRE1-JRE6は、第一染色体の特定領域(300kb程度)にクラスター化する。いずれのJRE遺伝子もジャスモン酸により誘導された。ただし、その誘導パターン(タイミングや倍率)は遺伝子メンバー間で異なっていた。また、転写産物量はJRE4が他のメンバーよりも圧倒的に多かった。JRE4転写産物は葉と根を含む多くの組織で発現が見られたが、果実では登塾とともに発現が低下した。JRE3, JRE4, JRE6のそれぞれに機能抑制ドメインを付加したタンパク質を発現したトマト毛状根において、発現抑制される遺伝子を,cDNAマイクロアレイを用いて検索した。ステロイドグリコアルカロイド(SGA)であるトマチンの数多くの生合成酵素遺伝子がいずれの遺伝子の系統でも発現抑制されていた。また、JRE4を過剰発現したトマト植物体の葉を用いたアレイ解析でも、SGA生合成遺伝子の顕著な発現上昇が確認された。SGAおよびその代謝中間体であるコレステロール類の蓄積も生合成遺伝子の増減に相関性を示した。JREはトマトにおいてSGA生合成の制御転写因子であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
転写因子の標的代謝系を同定するという当初目標を達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
転写因子が生合成遺伝子を直接に転写活性化するのかという点を明らかにする。トマト果実を用いた一過性発現系が動くようになった。この系を有効に活用し、上記の点を解明したい。
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Causes of Carryover |
節約により残予算が生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品費などに充てる計画です。
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