2014 Fiscal Year Research-status Report
RNAバクテリオファージQβの高温適応実験進化における適応機構の解明
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26440194
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
柏木 明子 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (40362652)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高温適応 / RNAバクテリオファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
進化生物学において、適応進化に貢献する遺伝子や塩基の同定、それらの適応度上昇への貢献度を定量評価することは重要である。そこで、申請者はRNAバクテリオファージQβ(Qβ)をモデルとし、野生型が増幅できない高温環境で増幅可能となる過程を追跡可能な高温適応実験進化系を構築した。独立3系列で行った進化実験のゲノム解析の結果、全系列に共通する塩基置換を含む複数の塩基置換の蓄積を明らかにした。 平成26年度は高温適応実験進化系の各適応温度で独立3系列で共通して検出された塩基置換を持つ変異型Qβを作製し、各適応温度での適応度(増幅率を指標とする)を明らかにすることを目的とした。具体的には、QβのRNAゲノム全長に対するcDNAを持つプラスミドDNAに対し目的の変異を持たせたプライマーを用いてPCRを行った。得られたPCR断片をタカラバイオ株式会社のIn-Fusion cloning 法を用いて環状化した。37.2℃で検出された1箇所の変異(C2249U)、41.2℃で検出された5箇所の変異(G4A、U192C、C1257U、C2201U、C2249U)、43.6℃で検出された8箇所の変異(G4A、U192C、A1088G、C1257U、C2201U、C2249U、A2748C、U2776C)を導入したプラスミドDNAを作製した。次に、それぞれのプラスミドDNAを持つ大腸菌からそれぞれの変異を持つQβ変異体を抽出し、得られたQβ変異体を30.6℃、37.2℃、40.7℃、43.6℃で適応度を測定した。その結果、41.2℃で検出された5箇所の変異はQβの高温適応において(1)アミノ酸変化を伴わない5箇所の変異だけで41.2℃の高温適応を達成可能である。(2)43.6℃で導入された3種類の変異の適応度の貢献を正負逆にする遺伝的背景を提供するという2つの役割を持つことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した平成26年度実施予定内容を達成したため(2)とした。具体的には、高温適応変異型Qβの作製とその増幅率の評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
作製した変異型Qβの生活環のどのステップがどのように変化したのかを明らかにするため、生活環の各ステップに対して定量評価を行う予定である。
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[Journal Article] Adaptation of a cyanobacterium to a biochemically rich environment in experimental evolution as an initial step toward a chloroplast-like state2014
Author(s)
Kazufumi Hosodaa, Masumi Habuchib, Shingo Suzukic, Mikako Miyazakid, Go Takikawae, Takahiro Sakuraie, Akiko Kashiwagif, Makoto Sueyoshie, Yusuke Matsumotoe, Ayako Kiuchid, Kotaro Morib, and Tetsuya Yomo
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 9
Pages: e98337
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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