2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26440210
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
上井 進也 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00437500)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アカモク / 集団分化 / 光周性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,冬成熟と春成熟のアカモク集団間の遺伝的分化を解析するための核マーカー、とくにマイクロサテライトマーカーの開発に取り組んだ。協力者によりアカモクのRNAseqデータ中にみられるマイクロサテライト領域を増幅するようなプライマー情報の提供を受け、提供されたプライマーについてPCR条件の探索に取り組んだ。遺伝的多様性を考慮して選んだ2ー4個体のアカモクゲノム溶液を用い、55ー65度のアニーリング温度においてPCRを行い、安定的に増幅がみられるかを確認した。情報提供されたプライマーの中から、標的領域中の反復数が多い順に33領域について条件検索を行い、現在までに16領域について安定的に増幅がみられることを確認している。また、増幅が確認された領域のうち8領域については、約100個体についてすでに遺伝子型の決定を行なった。マイクロサテライトマーカーに加え、RFLPマーカーについても新たに1領域について解析を進め、150個体について遺伝子型を決定している。 培養実験については、昨年度に続き、新たに春1株、冬1株について光周性の確認を行なった。また、同時にこれらの株の交配を行い、F1の作成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マイクロサテライトマーカーの開発において研究が進展しない時期があったものの、年度としてみると目標としていた数のマーカーを確保できたと言える。残念なことに遺伝子型の決定を進めている8領域のうち2領域については、増幅が見られない個体が多く、最終的な遺伝的構造を解析する際のデータに含める事が難しいと考えているが、他の6マーカーについては、多型も十分である。すでに解析を行なったRFLPマーカー2つとあわせ、最終的には合計で20程度のマーカーについて遺伝子型の決定を行なうことを目標としている。目標としているサンプル数およびマーカー数を考慮すると、進捗状況は全体の20%程度で、27年度中に50%程度は終了している見込みだったことを考えると、予定よりやや遅れていると言わざるを得ない。 培養実験については、現在、冬成熟株と春成熟株のF1が順調に育っているため、28年度の後半になれば光周性の確認に使用できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度については、マイクロサテライトマーカーの解析を中心に行なう予定である。 すでに遺伝子型決定を進めている8マーカーに加え、安定した増幅が確認されたマーカーについて順次解析を進めていく。サンプルについては、ミトコンドリアマーカーの解析に用いたもののうち、サンプル数が多い約10集団200個体に、今後採集する見込みの100個体程度を加え、合計300個体程度について遺伝子型決定を行なった上で、遺伝的構造を明らかにしていくことを予定している。
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Causes of Carryover |
マイクロサテライトマーカーの開発段階において計画に遅れが生じたため、遺伝子型決定のための消耗品代を使用しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マーカー数、サンプル数ともに計画通りに解析を行なう予定であるため、28年度に使用する見込みである。
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