2014 Fiscal Year Research-status Report
ザトウムシにおける染色体数の爆発的地理的分化と環状重複・二重侵入をともなう種分化
Project/Area Number |
26440218
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
鶴崎 展巨 鳥取大学, 地域学部, 教授 (00183872)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 種分化 / 染色体分化 / 地理的分化 / ザトウムシ |
Outline of Annual Research Achievements |
ザトウムシでみられる環状重複(circular overlap),二重侵入などをともなう染色体の地理的分化関与の種分化過程が本研究の目的である。 2014年に実施を計画していた3つの課題のうち1つ(四国のアカサビザトウムシの染色体調査)については時間がとれなかったが,残りの2課題の調査は実施した。また近畿地方(とくに丹後山地周辺)のザトウムシ各種の染色体数分化についてはあるていどまとまったデータを得た。 1)栃木県でアカサビザトウムシの北陸型と関東型の両者の分布境界と核型を調査した。染色体数は14集団のうち鬼怒川上流の東側の1集団が2n=10を示したほかは,2n=14で,この数の分化と外部形態の分化する境界には不一致があった。 2)京都府丹後半島ではイラカザトウムシ,ナミザトウムシ2種の核型分化の調査をおこなった。イラカ,オオナミザトウムシの2種では由良川で染色体数の分化が生じているらしいことを確認した。 3)単為生殖のザトウムシ2種の分子系統解析を進めるため長野県,青森県,北海道などでサンプル採集をおこなった。現在,協力者によって系統解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2014年は環状重複や二重侵入がおきている現地というよりもその周辺の核型調査が遅れている地域の調査を優先したこと,海外の研究者と共同で行なっている単為生殖が関係する種分化過程の調査もあったこと,また,2014年夏季の天候不順などもあり,本研究課題の核心部分については十分な調査が行なえなかった感がある。ただし,いずれも本研究課題に密接に関係し,データを補強することにはつなかがっていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
とくに新たにつけくわえる方策,課題はない。 当初計画にそって,データ集積と整理,分析に努める予定である。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] ザトウムシ目2015
Author(s)
鶴崎展巨・鈴木正将
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Journal Title
In: 青木淳一(編著)日本産土壌動物 分類のための図解検索【第2版】東海大学出版部(東京)1969 pp.
Volume: なし
Pages: 121-145
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[Journal Article] Phylogeography of the laniatorid harvestman Pseudobiantes japonicus and its allied species (Arachnida: Opiliones: Laniatores: Epedanidae).2014
Author(s)
Kumekawa, Y., Ito, K., Tsurusaki, N., Hayakawa, H., Ohga, K., Yokoyama, J., Tebayashi, S., Arakawa, R., Fukuda, T.
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Journal Title
Annals of Entomological Society of America
Volume: 107
Pages: 756-772
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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