2015 Fiscal Year Research-status Report
ザトウムシにおける染色体数の爆発的地理的分化と環状重複・二重侵入をともなう種分化
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26440218
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
鶴崎 展巨 鳥取大学, 地域学部, 教授 (00183872)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 種分化 / 染色体 / 環状重複 / 二重侵入 / 単為生殖 / 地理的分化 / ザトウムシ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ザトウムシでみられる環状重複と二重侵入などをともなう染色体の地理的分化関与の種分化過程の追跡である。 2015年度は前年に実施予定であったが時間の都合で行えなかった四国の調査を含め,下記のような課題についてとりくんだ, 1)四国では北東の讃岐山地で染色体数の2n=12と2n=20の集団が環状重複により同所性を達成している場所(竜王山)が見つかっているが,徳島県側での染色体の地理的変異の様相が不明であったため,徳島県側で調査をおこなった。その結果,吉野川以南には讃岐山地でみられる変異は及んでおらず,ほとんどが2n=18で,西部の剣山系で2n=16の集団を確認したにとどまった。 2)三重県では,以前の調査で中部の山地(布引山地)で染色体数が大幅に増加している傾向を見出していたので,詳しく調査した。その結果,ここでは中央に向かって2n=12→14→16→18と同心円状に急激に増加していることがわかった。 3)単為生殖のザトウムシ2種の分子系統と単為生殖の様式の確認のため,長野県と青森県で,産雌単為生殖種であるヒラスベザトウムシおよびタマヒゲザトウムシの雌を飼育し,産下された卵から発生した胚と母親の DNA の比較を行なった(比較のため両性生殖種のトウホクスベザトウムシとユミヒゲザトウムシについても同様の調査をおこなっている)。ヒラスベには4倍体集団と2倍体集団があり,タマヒゲは4倍体集団のみからなるため,タマヒゲがヒラスベの4倍体集団から種分化した可能性があったが,DNA分析の結果,ヒラスベ,タマヒゲはそれぞれ単系統であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2015年夏季の天候不良(前半の高温・小雨と後半の雨天つづき)で,野外での採集が予定通りには行えなかった。 単為生殖種の調査では,採集時期がそれによって適切な時期からはずれたようで,飼育雌からの産下卵の採集がうまくできなかった集団がある(青森県の集団など)。 これについては2016年度にも追加の調査で補う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
とくに新たに加える研究課題や方策はない。 当初の計画にそって,データの収集と分析にとりくむ予定である。
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Causes of Carryover |
共同研究をしている米国サンジエゴ大学に2月にサンプルを郵送した際の航空便郵送経費の精算などに時間がかかったことや,0円に精算するよりも次年度に引きついだほうがより有効に経費を使えると判断されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
7月までにある複数の国内学会および国際学会の旅費へあてる予定。
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Research Products
(11 results)