2017 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of temperature on the interactions of aquatic organisms and growth of rice plants
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26440229
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
安田 弘法 山形大学, 農学部, 教授 (70202364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粕渕 辰昭 山形大学, その他部局等, 名誉教授 (00250960)
佐藤 智 山形大学, 農学部, 准教授 (70444023)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 温暖化 / 水田湛水生物 / 種内・種間相互作用 / 自然共生型水稲栽培 |
Outline of Annual Research Achievements |
タニシと温度がサカマキガイとカワニナの生存、発育、繁殖等の生物的要因と窒素、カリウム、葉緑体、有機物、溶存酸素、pH等の非生物的要因に与える影響を解明するため、室内で23度と29度の水温の容器を用い、これらの供試生物1個体の個体レベル、2個体の個体群レベル、3種を付け加えた群集レベルの3つの空間レベルで実験を行った。 一般的には、温度は生物的要因より非生物的要因に与える影響が強く、これと反対に、タニシは非生物的要因より生物的要因に与える影響が強い傾向があった。温度が溶存酸素、pH,サカマキガイ及びタニシの繁殖に及ぼす影響は個体、個体群、群集レベルの実験で有意差はなかったが、有機物、葉緑体、カリウムの量は、個体、個体群、群集と空間レベルの増加で異なった。タニシがカワニナの生体重、有機物、サカマキガイ及びカワニナの繁殖への影響は、空間レベルにより異ならなかったが、カワニナの生存率、サカマキガイの生体重、窒素量は、異なる空間レベルで異なった。このように生物的及び非生物的要因へのタニシと温度の影響は、個体、個体群、群集レベルで類似した結果と異なる結果を生じさせた。これは、温度とタニシが生物的及び非生物的要因に及ぼす影響は、供試した湛水生物の種数や個体数により変化することを示している。 タニシがいる水田では、湛水生物の多様性が高くなるとの報告があるが、本研究では、タニシがいると湛水生物の繁殖が良くなり、その結果、個体数が増加し、多様性が高くなり、タニシが及ぼす水田の多様性増加機構の一部を明らかにした。また、自然共生型水田では、タニシが水田の生物的及び非生物的環境を改変することで、イネの発育に好適な環境になる可能性があることが示唆された。
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Research Products
(3 results)