2014 Fiscal Year Research-status Report
植物病原菌誘引殺菌剤開発の基盤技術としての青枯病菌走化性誘引物質の探索
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26450137
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
夏目 雅裕 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10201683)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 青枯病菌 / 走化性 / トマト / 根滲出液 / 誘引物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
1トマトおよびアルファルファ根滲出液からの走化性誘引物質の精製 これまでの実験の結果、トマト根滲出液の走化性誘引活性は水溶性画分と活性炭吸着画分に認められ、トマトの水溶性画分の活性はイネやナタネ、アルファルファのそれより強いことから、トマトに特異的な活性物質が存在する可能性が示唆された。今年度はトマト根滲出液の活性炭吸着画分の各種固相カラムおよび溶媒分画による精製を試みた。その結果、走化性誘引活性は固相カラムには吸着されず、有機溶媒には抽出されなかったことから、走化性誘引物質は極性の高い物質であることが明らかになった。
2トマト栽培方法の検討 これまでの実験で、トマト根滲出液活性炭吸着画分の活性が時として明瞭に観察されないことがあって苦労している。その理由として、根滲出液の収集時期が適当でない可能性や、根が滲出液の回収期間中ずっと水に浸かっている栽培方法などが考えられる。そこで、今年度は水切りバットを利用した栽培方法を検討し、安定的にかつ大量に根滲出液を回収する方法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微量天然物の研究の際にしばしば経験することに、実験者が替わることによる結果のぶれがある。今年度は実験者が入れ替わったためもあって、前任者の結果の再現に時間がかかったため、思うように進展しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
トマト根滲出液を安定的にかつ大量に回収する方法をほぼ確立できたので、今後は精製法の検討をより速やかに行うことができると考えている。 今年度計画して着手できなかった他種植物からの走化性誘引物質の探索にも着手できる目途が立ったので、次年度中には当初の計画に追いつくことができると考えている。
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Causes of Carryover |
今年度は、トマト根滲出液に含まれる走化性誘引物質の精製が思うように進展せず、従来の精製法での活性の確認に手間取ったため、新しいクロマトグラフィー担体や精製用試薬・溶媒の購入が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度トマト根滲出液を安定的に大量に回収する方法をほぼ確立でき、また走化性誘引物質が極性の高い物質であるとの見当がついたので、次年度は新しい精製法の検討が必要となり、予算を執行できると考えている。
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