2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26450302
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小沢 亙 山形大学, 農学部, 教授 (70211141)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 提携 / 主体性 / コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
生活クラブの提携生産者組織である親生会の中から詳細調査対象とする生産者団体を絞り込むために、候補生産者団体の位置する地域の農業構造の変化について農林業センサス等公表統計の分析を実施するとともに、提携の効果を分析するための基準となる青果物の市場価格変動を把握した。 提携生産者団体が存在する地域と周辺地域の公表統計の分析から、農業構造の変化は提携生産者がいる地域だからといって提携生産者団体の規模にあまり関係せず他の地域と顕著な違いがないことが明らかとなった。提携生産者団体の中には市町村単位で組織化しているものから、ごく限られた人数の団体まで幅広く存在し、生活クラブは規模要因以外の要素で高い評価を行っているのではないかと予測されること、また市町村単位であろうと提携生産者団体の存在は限定的であるのではないかと予測されることの2点を想定した。これらの要因については現地調査で明らかにする必要がある。 青果物の日別市場価格を通年にわたって記録し、その動きを確認した。市場価格の変動は品目によって異なり、総じて変動の程度は大きく、きわめて不安定であることを確認した。これに対して提携は生産者団体に価格安定をもたらし、生産意欲を高めていることが予想されるところから、提携の詳細について再度生活クラブに聞き取り調査を行う必要がある。 以上を踏まえ、生活クラブの提携生産者団体の中から複数を特定し、地域との関わり、生産者の意欲等を聞き取り調査するとともに、構造分析、市場価格の把握を継続する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
提携生産者団体が位置する地域の農業構造を把握するため2015年農林業センサスを用いた農業構造分析を行ったものの、他地域との農業構造との違いが明確ではなくその要因の把握に手間取った。また通常の市場取引との違いを明らかにするために市場価格の把握を行っており、当初計画より遅れ気味である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2015年農林業センサスを利用した地域農業構造の分析を行うと共に、各生産者団体の農業生産と販売に関する取り組みとその中での生活クラブとの産消提携の重要度等の調査、市場価格変動の把握を行うとともに、生産者団体に対する聞き取り調査で組織構造と生活クラブとの取引実態、関係の正確な把握に努める。さらに、発展途上国で協同組合的活動が注目されていることから、注目される理由とその実態を把握し、消費者活動の生産者への影響について若干の国際比較も試みる。 <スケジュール>4~5月:調査計画の詳細設計、7~9月:生産者団体の調査、10~2月:調査結果の整理、3月:生活クラブと生産者団体の連携をテーマにした学会報告の準備(5月:学会報告)
|
Causes of Carryover |
提携生産者の詳細調査、発展途上国の協同組合的活動の概要調査の必要がある。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
生活クラブ生協親生会に加入する団体のうち、生産者が主体的に取り組む団体を対象に、連携研究者と共に複数調査し、生産者の成長にどのような共通性があるのかを明らかにするとともに、発展途上国の協同組合的活動の概要調査を行う。
|