2016 Fiscal Year Annual Research Report
The change of livelihood in rural households by transition to market economies in Ghana
Project/Area Number |
26450333
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
中曽根 勝重 東京農業大学, 国際食料情報学部, 准教授 (10366411)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アフリカ / 営農様式 / 小農生計 / 農村開発 / 市場経済化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ガーナでは経済成長の加速が著しく、これまでも毎年変わる物価の高さには目を見張るものがあったが、ここ数年は特に消費財の価格の高騰が続いているようである。レストランやホテルなどは、これまでもその価格が高騰し続けていたが、ガソリンなどの燃料を含む交通費は去年よりも5~10%値上がりし、ホテルは15%以上も値上がりしている所もでてきている。もちろん、ガーナでは経済成長にともない様々なシステムが近代化されたり、便利な生活用品も入手できるようになってきた。しかし、地方で農業に従事する人々の所得はあまり大きく変化していないため、過度の物価上昇は彼らの生活をより不便にしているような話も現地農民から耳にした。こうした都市と農村の経済格差は、今後、ガーナが早急に取り組むべき問題の1つであることを改めて認識させられた。 一方、現地農民の農業活動の状況に注目すると、ガーナの経済成長にともない各コンパウンド(同居家族)における独立した農民数は10年前に比べると半減している。家族を食べさせるためには、食料の確保が欠かせないため、家長は自家消費向け作物の栽培が中心であることに変わりないが、若年の農民は、離農したり一時的に農業を離れたりして非農業活動に従事し、自転車やオートバイなどの移動手段、携帯電話やテレビなどの娯楽品を購入するための現金稼得活動に取り組んでいる。この要因の1つには、ガーナの農村部まで浸透してきた市場経済の影響により、日常の生活において現金を利用する機会が増加したことがあげられる。ただし、各コンパウンドでは農民数の減少により、農業活動に対する労働不足が見られるため、今後もガーナの経済成長が継続するのであれば、各コンパウンドにおける営農様式の変更は避けられないことが予測される。
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