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2015 Fiscal Year Research-status Report

性判別精液・受精卵利用は酪農経営の収益性を向上させるか?

Research Project

Project/Area Number 26450395
Research InstitutionNippon Veterinary and Life Science University

Principal Investigator

小澤 壯行  日本獣医生命科学大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30247085)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 牛島 仁  日本獣医生命科学大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10549562)
長田 雅宏  日本獣医生命科学大学, 公私立大学の部局等, 講師 (40610712)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords酪農経営 / 後継牛 / 性判別精液 / 性判別受精卵 / 収益性 / アンケート
Outline of Annual Research Achievements

酪農経営の持続的発展を図るには、その基礎となる後継牛確保が不可欠である。その要望に応えうる技術の一つが、繁殖における性別のコントロールである。現在、営農現場で主に利用されている方法は「性判別精液」の利用であり、これに伴う経営研究は盛んに行われている。その一方で、「性判別受精卵」利用に関しては技術作出に関する成果は多いものの、個別経営を対象とした事例研究は極めて少ない。そこで本年度の研究では、過年度に集積した北海道浜中町(n=56)と、都府県酪農主産地である栃木県(n=255)データを解析し、それぞれの地域において、酪農家の性判別受精卵の利用意向を明らかにした。
その結果、北海道においては、性判別受精卵への関心は高く、「興味がある」とした回答割合は6割と高かった。また「興味がある」「興味がない」の回答間には、総飼養頭数との間に1%水準で有意差が認められた。栃木県においては、性判別受精卵への関心は「興味がある」が4割であった。しかし、受容性に関しては、「利用したくない・利用したいかわからない」という利用に消極的な回答が7割を占めた。「利用したい」「利用したくない・利用したいかわからない」の階層間で総飼養頭数において、5%水準で有意差が認められた。
利用したいと回答した酪農家は、北海道においても都府県においても、共に約3割であることから、経営立地に関わらず一定の割合で利用を希望する酪農家が存在していることが分かった。また北海道では性判別受精卵を既に利用している酪農家は全体の約15%を占めていた反面、都府県では3%であった。
利用意向と経営立地との間には、北海道と都府県の間で、既に利用していると回答した酪農家と、利用したいかわからないと答えた酪農家の割合には差が見られたが、その背景については明らかにすることはできなかった。以上に加えて熊本県における先進事例調査を実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

全国的に夏期の天候が不安定であり農作業に支障を来し、酪農家および農協が多忙であったために、酪農家を対象としたセミナー開催には至らなかった。さらに研究代表者負傷のために夏期休暇中に入院治療を余儀なくされたため、ニュージーランドへの調査事業を実施できなかった。

Strategy for Future Research Activity

草地酪農地帯におけるブリーダー的酪農経営における性判別技術の普及度および今後の展開方向を見定めるため、JAくしろ丹頂の協力の下に全戸アンケート調査を実施するとともに、ヒヤリングを実施して過年度の課題克服とその経営的特徴を見いだすことに傾注する。
併せて同JA管内において農閑期にセミナーを実施して、セミナー開催による技術普及性の検討を実施する。
また酪農先進地であるニュージーランドにおいて本学と研究協力体制が構築されているマッセイ大学を訪問して季節繁殖地帯における性判別技術の普及度と農家調査を実施することにより、より具体的に同技術の国内定着度を図るものとする。
加えて蓄積された研究成果を国内外の学会等で報告を行う。

Causes of Carryover

前述のように、2015年は全国的に夏期の天候が不安定であったために、農作業に支障を来し、酪農家および農協が多忙であったために、酪農家を対象としたセミナー開催には至らなかった。さらに研究代表者負傷のために夏期休暇中に入院治療を余儀なくされたため、ニュージーランドへの調査事業を実施できなかったことから、特に旅費を中心とした支出がかなわなかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

前述のように、JAくしろ丹頂の協力の下に全戸アンケート調査を実施するとともに、ヒヤリングを実施して過年度の課題克服とその経営的特徴を見いだす。併せて同JA管内において農閑期にセミナーを実施して、セミナー開催による技術普及性の検討を実施する。
また酪農先進地であるニュージーランドにおいて本学と研究協力体制が構築されているマッセイ大学を訪問して季節繁殖地帯における性判別技術の普及度と農家調査を実施することにより、より具体的に同技術の国内定着度を図るものとする。加えて蓄積された研究成果を国内外の学会等で報告を行う。

  • Research Products

    (5 results)

All 2016 2015

All Presentation (5 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 放牧に適した乳牛改良に関する研究ーNZ輸入精液利用の可能性ー2016

    • Author(s)
      玉川聡美・長田雅宏・小澤壯行
    • Organizer
      第121回日本畜産学会大会
    • Place of Presentation
      日本獣医生命科学大学
    • Year and Date
      2016-03-28 – 2016-03-30
  • [Presentation] 経営学からみる畜産学と技術開発課題ー乳牛繁殖技術を事例としてー2016

    • Author(s)
      小澤壯行
    • Organizer
      第121回日本畜産学会大会公開シンポジウム「日本の畜産学2016,現状と展望」
    • Place of Presentation
      日本獣医生命科学大学
    • Year and Date
      2016-03-28 – 2016-03-30
    • Invited
  • [Presentation] 国内における性選別精液の利用制限についてのアンケート調査2016

    • Author(s)
      牛島仁・下司雅也・赤木悟史・居在家義昭
    • Organizer
      第31回東日本家畜受精卵移植技術研究会大会
    • Place of Presentation
      石川県立音楽堂「邦楽ホール」
    • Year and Date
      2016-02-04 – 2016-02-04
  • [Presentation] 草地酪農地帯における性判別受精卵の受容性-北海道・浜中町を事例として-2015

    • Author(s)
      町田 梓・宮野 あい・小澤 壯行
    • Organizer
      関東畜産学会
    • Place of Presentation
      栃木県総合文化センター
    • Year and Date
      2015-11-20 – 2015-11-20
  • [Presentation] 酪農家は性判別受精卵を受け入れるのか?-草地酪農地帯における受容性-2015

    • Author(s)
      小澤壯行・長田雅宏・町田梓・宮野あい・牛島仁
    • Organizer
      第120回日本畜産学会大会
    • Place of Presentation
      酪農学園大学
    • Year and Date
      2015-09-11 – 2015-09-12

URL: 

Published: 2017-01-06  

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