2015 Fiscal Year Research-status Report
プリン作動性化学伝達におけるATP分泌機構と生理的意義の解明
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26460067
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮地 孝明 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 准教授 (40550314)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | プリン作動性化学伝達 / 小胞型ヌクレオチドトランスポーター / ATP / 疼痛 / 神経細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT)は分泌小胞内へのATPの充填装置であり、プリン作動性化学伝達の必須因子である。本研究課題は、神経・内分泌系におけるATPの分泌機構とその生理的意義を解明し、プリン作動性化学伝達の全体像を理解することを目的とする。本年度は昨年度に引き続き以下の研究成果を得た。 VNUTは炎症性疼痛の発症に重要な役割を担い、疼痛を伴う炎症性疾患の創薬標的になることを明らかにした。また、VNUT阻害剤を探索したところ、IC50=15.6 nMという極めて低濃度でVNUTを阻害する薬剤を同定することに成功した。この薬剤は、同じトランスポーター群の間で1000倍以上の特異性があり、VNUTの塩素イオンによる活性化に影響することで阻害するアロステリック薬剤であった。この薬剤は細胞・組織レベルでも有効であり、マウスに投与すると、低濃度でノックアウトマウスと同じ効果を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究計画での研究対象である神経・内分泌系でのVNUTの生理的役割を明らかにした。 これに加え、新しくVNUT特異的阻害剤の開発にも成功した。 以上より、当初の計画以上に研究は進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、VNUTノックアウトマウスと新たに同定したVNUT特異的阻害剤を用いて、VNUTの生理的意義、及び、新規治療薬としての可能性を検討する。
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[Journal Article] A polarly localized transporter for efficient manganese uptake in rice.2015
Author(s)
Ueno D., Sasaki A., Yamaji N., Miyaji T., Fujii Y., Takemoto Y., Moriyama S., Che J., Moriyama Y., Iwasaki K., Ma J.F.
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed
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