2014 Fiscal Year Research-status Report
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26460258
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
駒田 致和 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (90523994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 やよい 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (00202903)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 性分化 / Steroidogenic factor-1 / 視床下部 / 神経分化 / 細胞移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
Steroidogenic factor-1はエストロゲンをはじめとする性ホルモン産生酵素の産生に関わる重要な転写因子である。これまで、発生期の脳においては視床下部の内腹側核における発現とその役割が報告されているが、それ以外の領域におけるその発現パターンやその役割は明らかになっていない。本研究課題では、SF-1の新たな役割を明らかにするために、大脳皮質の発生における発現とその機能について着目した。これまでの研究から、in situ hybridization法によるmRNAの発現パターンを網羅的に解析、報告しているGene Expression Databaseにより、胎生期の大脳皮質に発現していることが示唆されている。そこで我々はRT-PCRと免疫組織染色によって、大脳皮質におけるその発現パターンを報告した。さらにSF-1ノックアウトマウスを用いて、大脳皮質の形態形成異常について解析した。その結果、細胞増殖や神経新生が抑制され、神経幹細胞である放射状グリアの突起の形成にも影響が及ぼされていることが明らかになった。放射状突起の形成異常は分化した神経細胞の細胞移動にも影響を及ぼす可能性がある。これらの異常の原因は、SF-1の発現を大脳皮質で抑制することによって、大脳皮質の神経幹細胞、あるいは神経細胞におけるエストロゲン産生(神経ステロイド産生)が抑制されることによって、脳内のエストロゲンが減少する。エストロゲンシグナルは大脳皮質における神経新生を促進する作用があることから、神経新生に異常が引き起こされていると考えられる。またSF-1は核内受容体であり、転写因子としての役割を果たしている。SF-1の発現を抑制することで下流の因子の発現に異常が引き起こされ、その結果として神経新生が抑制されるという2つの可能性を示している。 これらの研究成果は既に複数の学会で発表しており、また現在国際学術雑誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、目的の時期・領域特異的遺伝子改変マウスを作成するためにマウスの導入を進めている。しかし、動物施設の改装工事のため、マウス繁殖等の実験準備が遅れている。そこで、これまでにサンプリングを進めていたSF-1ノックアウトマウスを用いて、SF-1の大脳皮質における発現パターンとその役割を明らかにした。SF-1はエストロゲン産生酵素の産生に関わるため、エストロゲンが関与する大脳皮質の発生メカニズムに踏み込むとともに、核内受容体・転写因子であるSF-1の神経発生に寄与する新たな役割を明らかにするものである。この成果は、大脳皮質の発生メカニズムの解明に貢献できることに留まらず、視床下部の神経分化や細胞移動におけるSF-1の関与についても示唆するものである。 マウスの繁殖は、工事のために遅れていたものの現在では飼育スペースも十分に確保でき、順調に進められているため、何ら問題は無い。
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Strategy for Future Research Activity |
現在作成している時期・領域特異的遺伝子改変マウスが作製されれば、SF-1ノックアウトマウスとの表現型を比較しつつ、視床下部の形成メカニズムの解明を目指す。視床下部の形態形成においてSF-1はマスター因子であることから、SF-1と連動して働く因子をマイクロアレイを用いて探索する。また、形態形成に重要な液性因子であるSonic hedgehogが視床下部の発生に、SF-1と連動して働くことが予想されることから、特にSHHに着目した解析を行うことも計画している。これらの解析によって、視床下部の神経核の形成における神経新生や細胞移動のメカニズムを明らかにすることで、視床下部の雌雄差の形成メカニズムの解明にも関与できると考えている。
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Causes of Carryover |
マウスの導入、繁殖が動物実験施設の工事のため、計画通りに進めることができなかったため、計画通りにマイクロアレイ等の実験を行うことができなかった。そのため、その分の予算は次年度に使用することとし、別の解析を行いSF-1と共訳して働く因子の探索を行った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定していたマイクロアレイについては、マウスの準備が整い次第実施する予定である。現在、遺伝子改変マウスを順調に飼育できていることから、次年度中には実施できる見込みである。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Filamin A-interacting protein (FILIP) is a region-specific modulator of myosin 2b and controls spine morphology and NMDA receptor accumulation.2014
Author(s)
Yagi H, Nagano T, Xie MJ, Ikeda H, Kuroda K, Komada M, Iguchi T, Tariqur RM, Morikubo S, Noguchi K, Murase K, Okabe M, Sato M.
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Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 4
Pages: 6365
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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