2015 Fiscal Year Research-status Report
アドレナリン分泌機序におけるTASKチャネルの生理的意義の解明
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26460306
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
松岡 秀忠 産業医科大学, 医学部, 講師 (90374991)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | TASK1 channel / Src / endocytosis |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、内分泌細胞のホルモン分泌機構におけるTASK1チャネルの機能および生理的意義の解明を最終目標としている。本年度までに、内分泌細胞におけるTASK1チャネルの機能調節にエンドサイトーシスによる細胞内局在制御が関与することを明らかにした。今年度は、TASK1チャネルエンドサイトーシスの分子機構をさらに詳細に解析した。NGFが誘導するTASK1チャネルエンドサイトーシスには、NGF刺激に伴うPLCγ、PI3 kinaseの活性化、PLCの下流の下流因子Protein Kinase C (PKC)の活性化が必要であることを明らかにした。さらに、PKCによって活性化されたSrc kinasesによる、TASK1チャネルのC末端領域をリン酸化とTASK1チャネルとの一過性の相互作用が、TASK1チャネルエンドサイトーシスを誘発することを明らかにした。また、本年度までに、Quantitative RT-PCR、ウエスタンブロット法により、TASK1チャネルの機能調節に蛋白質レベルでの制御(degradation pathways)および遺伝子レベルでの発現抑制も関与することを明らかにしており、NGF存在下でのTASK1チャネルは、エンドサイトーシス(recycling and/or degradation pathways)による調節機構と遺伝子発現制御機構の両者によって機能が調節されていることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、NGF刺激によるTASK1チャネルエンドサイトーシスの分子機構を明らかにした。またNGF刺激だけでなく、その他の細胞外刺激においても、その機能調節機構にエンドサイトーシスが関与することを示唆した。それらの結果は、学会にて報告し、さらに学術論文に投稿し受理され、当年度の目標は達成された。次年度は、TASK1ノックアウトマウスを用いた個体レベルでの機能解析へと移行し、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
NGF刺激に加え、様々な細胞応答におけるTASK1チャネルの機能調節機構の解明にも着手しており、分子レベルでの詳細な機能調節機構を明らかにしつつある。今後さらに解析を進め、TASK1チャネル機能調節機構の全容を明らかにする。また、TASK1チャネルノックアウトマウスを用いた個体レベルの解析も進めることにより、TASK1チャネルの生理的意義の解明が計画通り進展するものと期待できる。
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Causes of Carryover |
本年度、TASK1チャネルの機能調節機構において、新しい知見を得た。その成果報告のための学会参加、学術論文投稿に専念したため、TASKチャネルノックアウトマウスにかかる飼育費、生化学検査受託費等が不必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き、様々な細胞応答におけるTASK1チャネル機能調節機構の全容を明らかにするため、遺伝子工学製品や細胞培地などの消耗品の購入に使用する。また、TASKチャネルノックアウトマウスの解析に必要なマウス維持のための飼育費、生化学検査受託費等に使用する。加えて、成果報告の学会参加、論文投稿に使用する。
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Research Products
(2 results)