2015 Fiscal Year Research-status Report
灌流顎下腺におけるタイト結合近傍の細胞膜振動と傍細胞輸送の関係
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26460308
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
村上 政隆 生理学研究所, 細胞器官研究系, 准教授 (10104275)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 唾液腺 / タイト結合 / 傍細胞輸送 / 血管灌流唾液腺 / 水輸送 / 細胞内信号 / 蛍光物質分泌 / 駆動力 |
Outline of Annual Research Achievements |
大量に水分分泌を起こす唾液腺は、持続分泌期に全水分泌の2/3が傍細胞経路を通過する。傍細胞輸送マーカーとして用いた分子量500のLucifer Yellow (LY),Sulforhodamine B(SRB)に加え分子量800, 4000の蛍光物質を合成し用いた。唾液濃度/灌流液濃度の比はいずれも広い分泌速度の範囲で同じ挙動を示し、大きな経路を通過することを示した。第一報を作成投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1) 留置したビーズの三次元的な動きをマニュアルで画像毎に追跡し、この軌跡を基準として原3次元画像のポンプ・アーチファクトを取り除いた。ビーズの三次元位置は一人の観察者で行うため時間がかかった。 2) 細胞間隙にに分布する蛍光色素は蛍光が弱いため、コントラストの標準化が必要となった。 3) LY,SRBの唾液/灌流液比測定を大きな分子で行うため、分子量800,4000の蛍光物質を合成依頼し実験した。
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Strategy for Future Research Activity |
1)分子量500の蛍光マーカーSRBにてタイト結合近傍の細胞間隙の振動を可視化する。 2)ROIを小さく取り時間分解を短くして振動を極力明確化する。 3)Ouabain投与により、傍細胞輸送が低下する機序を、細胞容積の増加が細胞内骨格間の距離増大を起こし、相互作用が減少することにより、細胞膜表面の運動が低下すると予測しているが、ouabain投与時の細胞内骨格の運動減少を可視化し、観察する。
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Causes of Carryover |
大きい分子量の蛍光色素を設計発注したが、合成納品に時間がかかり実験実施が遅れた。そのため、実験動物及び消耗品の使用が遅れた。また 英文論文の投稿が遅れた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新しい蛍光色素実験が順調に開始したため、ラットの使用匹数が増加、英文論文作成投稿費用が増額される。翌年度の増額は物品費(ラット、薬品、電顕試料作成消耗品、蛍光色素)および研究集会での発表旅費に使用。
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Research Products
(9 results)