2016 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between paracellular transport and membranous vibration near tight junction in the perfused submandibular gland
Project/Area Number |
26460308
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
村上 政隆 生理学研究所, 准教授 (10104275)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 唾液腺 / タイト結合 / 傍細胞輸送 / 血管灌流唾液腺 / 水輸送 / 細胞内信号 / 蛍光物質分泌 / 駆動力 |
Outline of Annual Research Achievements |
唾液腺は大量に水分を分泌し、口腔を清潔に保ち、咀嚼を助け、消化吸収のための溶媒としての役割も果す。唾液分泌は1)腺房細胞内を通過する経細胞輸送と、2)腺房細胞間隙を通過する傍細胞輸送、との和であり、刺激初期は1)が優位であるが、刺激開始後1分からの分泌持続期には2)が全水分泌の2/3に達する。傍細胞輸送の研究の主眼はa)駆動力とb)タイト結合でのgating機構である。本研究目標はgating機構としてタイト結合直下のアクチン繊維の動きをタイト結合周辺の振動をとらえることであった。そのため基本的問題点を解決した。1)血管灌流による動きのアーチファクトの除去。留置した蛍光ビーズの三次元的な動きを共焦点顕微鏡により連続撮影し、マニュアルで画像ごと追跡し。その軌跡を基準として実験で得られたポンプアーチファクトを除去した。2)合成ペプチドを用い分子量を増加させ蛍光部位を付け、大きさをコントロールした蛍光マーカーを使用できるようにした。その結果、分子量, 400,800,1500,4000の蛍光色素の唾液内濃度と唾液分泌速度の関係をプロットすることができ、いずれの大きさの分子も溶媒けん引によりタイト結合を通過することが明らかにされた。3)タイト結合を通過する水分の駆動力は主として静水圧とすれば、分泌刺激による血管拡張および毛細血管血管床の増加により分泌終末部の血流が増加し圧が増加することを想定し観察確認しなければならない。しかし、唾液腺においてこの変化を形態的に観察されてこなかった。今回形態的に血管床が増加することを血管内皮細胞を染色して微小循環を評価するシステムを完成させた。ムスカリン受容体刺激時に細い毛細血管が増加することを観察した。本研究計画のタイト結合近辺での振動の観測のための3つの重要な基本研究を実施でき、最終段階である振動の観測につなぐことができた。
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Research Products
(15 results)