2016 Fiscal Year Annual Research Report
Screening of therapeutic targets in diffuse type gastric cancer
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26460420
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
村上 和成 大分大学, 医学部, 教授 (00239485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 雅明 大分大学, 福祉健康科学部, 教授 (20332893)
守山 正胤 大分大学, 医学部, 教授 (90239707)
沖本 忠義 大分大学, 医学部, 講師 (90381037)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 胃癌 / FGFR / アレイCGH |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は予後不良な低分化型胃癌に対する分子標的治療の実現を目的し、低分化型胃癌に特徴的なゲノムコピー数異常と異常遺伝子の抽出に成功した。臨床検体で観察された異常は胃癌細胞株においても検出された為、将来的に機能解析を行うため細胞株を用いた解析を中心に進めることとした。抽出された遺伝子に対するsiRNAを低分化型細胞株へ導入し、細胞増殖能が変化するか解析した。中でも低分化型胃癌細胞株に特異的にゲノム増幅を起こしていたSDC1遺伝子を発現抑制すると、高分化型(MKN74)では増殖に影響が見られなかったのに対し、低分化型細胞株(NUGC3, 44As3)では強く増殖が抑制された。 平成28年度は低分化型胃癌で特異的に活性化するシグナル伝達を明らかにするため、MAPK系、PI3K/AKT系、NF-kB系などのシグナル伝達系に存在するタンパク質のリン酸化レベルを解析した。結果、低分化型胃癌由来の細胞株3株において特異的にCREBのリン酸化レベルが亢進していることを発見した。さらに若年性の低分化型胃癌と診断された症例からLCM法により癌細胞を回収しゲノムDNAを抽出しアレイCGH解析を行った。結果、6症例中2症例でFGFR遺伝子のゲノム増幅が検出された。実際に低分化型胃癌細胞株の一部でもFGFRゲノム増幅が検出された。そこでFGFR下流シグナル伝達を標的とした阻害剤の有効性を検討した。FGFRの下流シグナルとしてMAPK系とPI3K/AKT系が知られており、其々を阻害剤でブロックすると、MAPK系をブロックするMEK阻害剤はほぼ効果が無いのに対し(高感受性株0株/ 4株)、PI3K/AKT系をブロックするPI3K阻害剤に効果を認めた(高感受性株3株/ 4株)。我々の結果は、低分化型胃癌のうちFGFR増幅をもつものはその下流であるPI3K/AKTパスウェイの阻害が効果的であると示唆する。
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Research Products
(24 results)