2014 Fiscal Year Research-status Report
一分子ナノ粒子を用いた偽(Pseudo)原虫の構築とそのマラリアワクチンへの応用
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26460511
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮田 健 鹿児島大学, 農学部, 助教 (20448591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門川 淳一 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (30241722)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マラリア / ナノ粒子 / ワクチンプラットフォーム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は一分子ナノ粒子(NPG)を用いた偽原虫の構築法の確立とその性状学的解析を進めてきた。 予備実験で検討した比較的分子サイズの小さいエピトープ搭載偽原虫の構築データから、まず最初にモデル抗原として卵白アルブミン(OVA)を用いてNPGに搭載することを実施した。部位特異的に抗原を搭載できることを期待したSH基を導入したNPGに関しては、反応系の確立に時間を要したので、今年度は特にアミノ基を導入したNPGを基本とした偽原虫構築を目指した。化学融合法を用いてOVAとNPGを融合させる際に重要だと考えた分子比率、架橋剤の種類、生物物理的条件の各種検討を試みた結果、OVAを搭載したNPGを構築することができた。分子サイズとしてはNPG自体が巨大分子であるので、正確なサイズを検証することはまだできていないが、巨大分子の状態で抗原性を確保した分子構築法を確立出来たと考えている。 しかしながら、融合効率がまだ低く、効率のよい偽原虫を作成するには検証する必要がある。よって次年度は融合効率の向上を目指した分子設計についても検証をすすめると同時に構築できた偽原虫のワクチン効果の解析についても進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
偽原虫の構築の基礎部分については確立し、その性状学的解析についても良好な結果を得ている。しかしながら、まだまだ検証すべき項目もあり、次年度予定している研究項目と同時並行的に作業することで、研究の進行には大きな問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノ粒子に比較的大きな分子サイズの抗原を搭載することは予想以上に効率が低かった。その点に関しては今後、改善する必要があると感じている。その対応策として、現在主に用いている化学融合法だけでなく生体相互作用を活用した融合方法を活用することを考えており、本年度の予備的検討を実施しており、高効率の融合法になりうると考えている。
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Causes of Carryover |
今年度予定していた分子構築および性状解析に関する予算について概ね予定通り使用したが、来年度予想される性状解析に使用する試薬が増えることおよびその試薬の使用期限も考慮して、効率のよい予算消化のために、わずかではあるが残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は今年度以上に分子構築が進むと予想しているので、その性状解析に使用する糖分解酵素など使用期限が短いものを効率良く購入するために、本年度の残額予算と次年度の予算を合算して使用することを計画している。
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Research Products
(11 results)